第96夜 ページ4
往来の隅から場所を移そうと立ち上がった矢先に人とぶつかって尻餅をついてしまう
『痛た…』と臀を擦りながら顔を上げると、驚いた事にウィーズリーの双子と、そしてジニーが、驚きの表情を浮かべて此方を見下ろしていた
『ごめん、前見てなくて』
「あっ、いや…こっちも悪かったな
怪我はない？」
『大丈夫』
差し伸べられた手に掴まり立ち上がると、どちらともなく「久しぶり」と言って笑みを零した
「こんな所で会うなんてな
まぁジニーは分かってたみたいだけどな？」
『えっ、そうなの？』
「そっそそそそんな訳ないでしょ！
ちょっとジョージ！！」
「ははっ、おっかねー」
ついていけない会話にハテナを浮かべていると双子の片割れフレッドが話を振ってきた
「Aは今日一人？
こわーいパパとママは？」
『……あー…』
早速一人で居る事に突っ込まれて苦い笑いを零しながら頬をかく
そんな僕の微妙な反応に三人が訝しげに首を傾げた時、往来の人垣の向こうから声が聞こえてきた
「すみませんマダム、白髪の男の子を見ませんでしたか？」
「んん…見てないわね」
「お伺いしても？ ヘルエレガルのご子息を探しているのですが…」
「いいや、知らねぇなぁ」
そんな会話が聞こえて咄嗟に双子を盾にして縮こまると、まだ僕を捜索する集団に気付いていない三人が「どうしたんだよ…？」と困惑する
『しぃーッ、静かに…！見つかっちゃう』
双子の壁越しに奴らの様子を伺っていると、ようやく僕を探す存在に気付いたのか「おいおい…」と呆れ声を零した
「もしかしてA…」
『待って、近付いてる…！
双子、そのまま路地まで壁になって…！』
何か言われる前に問答無用で遮って人目の少ない路地まで誘導させる
息を殺し影に身を潜めながら奴らの動向を探っていると、暫くして諦めたのか別の場所に移動して行くのが見えた
危機一髪
『危なかったー』と安堵の息を吐くと、両脇から勢いよく双子からガバッと肩を組まれてよろめいた
「説明、してくれるよな？Aお坊ちゃま」
「なんせ俺たち、恩人だもんな？」
そんなことを宣う二人に『えぇー…』と顔を顰めると「ン"ンッ…」と前方から咳払いが聞こえた
恐る恐る視線を前に向ける
「さて、一体どういう事かしら？ A」
目の前で仁王立ちするジニーから言い逃れられない雰囲気を感じ取り、僕は大人しく『はい…』と震えながら口を開いた
女性は強い
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1062人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アラバ - 作者さん！驚くほどお久しぶりです！また1から読ませていただきました！！受験生なのでなかなか来れないのですが、この小説は忘れられず、今日は読んでしまいました((＊´艸`))！！今からこの先も読ませていただきます！ (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 23267c8904 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - キノさん» 私が亀更新なばっかりに…！大丈夫です、遅いですが完結はさせますので！これからも楽しみに待っててもらえると嬉しいです！応援ありがとうございます(泣) (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ゆーなさん» お待たせしちゃってごめんなさい〜(泣) コメント励みになります！これからも頑張りますね！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 更新とても嬉しいです！！！もうなさらないのかと少し不安になってましたがずっとまっててよかった…！これからも楽しみにしております。ご無理なさらないで頑張ってください(^^) (2020年2月11日 20時) (レス) id: b9a41bfd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - 待ってましたあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(うるさい)これからも更新頑張ってください！！！ (2020年2月9日 13時) (レス) id: 9864294f52 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
