第95夜 ページ3
長期休暇も終わりに差し掛かる頃、来たる新学期に向けてダイアゴン横丁は大いに賑わっていた
箒、本屋、オリバンダーの杖、フクロウ屋
あらゆるものが景色として流れて行くのを人波に紛れながら眺める
視線を避ける様にフードを深く被り顔を隠して漸くホッと息をついた
歩き詰めで疲弊した足を休ませたいのだが、一文無しの身では店先のベンチにすら座らせてもらえそうにない
実際先程追い返されたばかりだ
椅子くらい貸して欲しいものだが、繁盛期に注文もしない客なんて迷惑なのだろう
仕方なく人混みから離れた往来の隅で膝を抱え込んで座ると、これからの事に思いを馳せる
しかし考えても何も解決策が思い付かないので早々に思考は放棄して、ただぼんやりと人の行き来を眺めていた
そんな時、風で飛ばされた新聞紙1部が目の前に落ちたので何気なくその一面を見る
"シリウス・ブラック 脱獄"
デカデカとそう書かれた見出しと此方を威嚇するような脱獄犯の写真が一面を飾っている
それを見てフッと小さな笑いを零した
『…一緒だね』
(ジニーside)
初めての長期休暇は、パパが日刊予言者新聞のクジで当てた賞金で家族皆とエジプト旅行に出掛けた
けれどもうすぐ新学期
その準備をする為に私達家族はダイアゴン横丁に買い物に繰り出していた
横丁はホグワーツの生徒で溢れていて、今も何人か友人達とすれ違う度に手を振り合っていた
「(もしかしたら…あの人も居るかもしれない…)」
ちょっとした期待が頬に熱として表れると、それを目敏く気付いた双子がしつこくからかってくる
「ジニー、今こう思っただろ」
「「私の王子様とも会えないかしら！
ってね！」」
「……全っ然違うから」
王子様だなんて考えてなかったし、嘘ではないわ…うん…
しかしどんなに「やめてよ」と言っても一向に止まらない冷やかしに段々イライラが募る
止めてくれそうなパパやママはロンと新しい杖を買いに行ってるし、それまでこの双子の相手をするのは疲れるわ
「そんなに怒るなって！」
「揶揄って悪かったよ！
もう言わないか＿＿＿＿ってうわッ！」
その時、フレッドが人とぶつかって僅かによろめくと相手も尻餅をついて倒れる
その顔を見て私達は目を見張った
「…噂をすればってやつ？」
ジョージの呟きも目の前の彼に釘付けになった私には気にならない
その相手とは
「…もしかして、A？」
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アラバ - 作者さん！驚くほどお久しぶりです！また1から読ませていただきました！！受験生なのでなかなか来れないのですが、この小説は忘れられず、今日は読んでしまいました((＊´艸`))！！今からこの先も読ませていただきます！ (2020年10月4日 19時) (
レス) id: 23267c8904 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - キノさん» 私が亀更新なばっかりに…！大丈夫です、遅いですが完結はさせますので！これからも楽しみに待っててもらえると嬉しいです！応援ありがとうございます(泣) (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
ﾆﾉｺｺ(プロフ) - ゆーなさん» お待たせしちゃってごめんなさい〜(泣) コメント励みになります！これからも頑張りますね！ (2020年2月14日 21時) (レス) id: cf3401d433 (このIDを非表示/違反報告)
キノ - 更新とても嬉しいです！！！もうなさらないのかと少し不安になってましたがずっとまっててよかった…！これからも楽しみにしております。ご無理なさらないで頑張ってください(^^) (2020年2月11日 20時) (レス) id: b9a41bfd90 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーな - 待ってましたあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"(うるさい)これからも更新頑張ってください！！！ (2020年2月9日 13時) (レス) id: 9864294f52 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年7月16日 12時
