第33夜 ページ35
それから、先生達もダンブルドア先生から僕の事について話を聞いたのか、授業に出るよう説得することはなくなった
…たまに嘆かれるけどね
でも全く行かなくなった訳でもなく、興味のあるものや応用出来そうな授業は寧ろ積極的に参加するようになった
多分、先生と話して心に余裕が出来たんだと思う
それでもやはり、殆どは部屋に篭っていることが多い
けれど今までの様にただ無意味に時間を潰すというよりは、本や大鍋、薬草などを持ち込んで「こんな魔法薬があったら便利だな」とか「こういう呪文を作ってみたい」と探求に走るようになった
本に載ってない、自分のオリジナルの呪文や魔法薬を創り出すというのは僕のやる気を大いに燻らせた
『うーん…やっぱりオーグリーじゃ代用は厳しいか… コカトリスの爪が一番望ましいだろうけど…うー…』
しかし学校内でも採れる薬草や材料にしか手が出せないので、完璧なものは創れた試しがない
今度学校を抜け出して探しに行こうかな…
『んー…』
凝り固まった身体を伸びをして解す
ふぅ、と息をついて部屋を見渡すが、ありとあらゆるものが床に散乱し足の踏み場もあるかどうか怪しかった
『……ただの研究室だね』
兎に角今日は疲れたのでベッドに行く
続きはまた明日だ
．
それから月日は流れ、今はイースター休暇だ
しかし試験が迫って先生達の課題も増えたからか、この時期に家に帰る生徒は少ないようだった
僕もその一人。かと言って試験勉強をする訳でもないのでいつも通りに過ごす
今の時期は図書室を利用する生徒も増えるので、自然と僕の足は遠ざかるようになった
代わりに行った場所が、ドラコと言葉を交わしたあの木の下だ
丁度よく木漏れ日も指してとても気持ちいい
一人座って本を読んでいると、ザッと足音が近付いた
『やぁ、ここでよく会うねドラコ』
「Aに渡したいものがあって…と言ってもまだ完成品は無いんだ」
『渡したいもの？』
僕が首を傾げると、何故か緊張した面持ちのドラコが小さな箱を取り出し渡してきた
許可を得て箱を開けてみると、そこにはチェーンが入っていた
「実は誕生日プレゼントにネックレスを贈ろうとしたんだが、肝心の宝石はまだ技師が加工が終わってなくて…せめてチェーンだけでも先にと思って」
『宝石なんてそんな…高価だっただろう？』
「そ、そんなことないさ！」
ドラコにお礼を言うと彼は嬉しそうに笑った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1913人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
