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第26夜 ページ28

眠りに落ちる時は、いつも引き摺られる様な感覚だった


まるで、深く暗い水の中に半身が浸かり、泥濘(ぬかるみ)に足を盗られない様に歩いていたところで、何かに下から足を引っ張られるような



水の中は苦しくて、苦しくて




藻掻いても戻れない、水底の世界


前も後ろもない、ただ"黒"が広がった夢の中







奴は、いつもそこで僕を待っている








_______
_____
__
_


















「今日は随分と粘ってくれたね」



『………』




「そんなに私が嫌いなのかい?」



『嫌いだよ、あんたなんか』



何も無い黒の世界で、姿のない相手に向けて言うと、「私は君の事好きなんだけどなぁ」と笑みを含んだ声で返ってきた


そんな言葉、嘘に決まってる


(まやか)しだ、コイツの存在みたいに






「まぁ、君が私を好きかどうかなんてどうでもいいさ

さぁ始めるよ、立ちなさい」



奴によって悪夢の時間の開始を告げられる


僕は嫌々、それでも立ち上がって、相手が何処にいるかを気配だけで探る


コイツの相手を長年やっているためか、いや確実にそれが原因で、日常でも最低限身の回りの気配を探る癖が身に付いてしまった



『姿を見せてくれれば、多少あんたの事も好きになれたかもしれないのに』


そう闇に告げると、奴は押し黙ったようだった





『…夢魔?』



僕が訝しげに呼ぶと、奴はフッと笑ったような気がした







「…幾つもの夜を超えれば、きっとね





それこそ、現実の世界で」




その言葉に『え?』と間の抜けた声を出すが、奴はそれ以上言及することなく「やるよ」と戦闘開始の合図を発した









今日も容赦ない攻撃の数々に、目が覚めた頃にはすっかり僕は奴との会話の内容を忘れていた

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作品ジャンル:ファンタジー
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます!!! (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったッ!!もう最高です!主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです! あと「作者様って本派の人だッ!」ってことに気づいてとても嬉しかったです!これからゆっくりではありますが一気読みしてきます!! (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね!もう、全部一気読みしてしまいました! (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ニノココ | 作成日時:2019年1月24日 23時

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