第16夜 ページ18
授業が終わったと同時にスネイプ先生が「ヘルエレガルは残るように」と死刑宣告をした
ホグワーツは金曜日の授業は午前しかない
だから僕も多少やる気が出てきて魔法薬学に来たわけだけど…
失敗だったね
『はぁい…』
椅子に座り直して肘をつく
チラチラこちらを伺う生徒が教室を出て行くのをボーッと見送る
その時、赤毛の子と並んで歩くハリーを見つけて『ハリー、教科書ありがとう』と手を振って声を掛けた
ハリーが何か口を開く前に「さて…」とスネイプ先生が話を切り出し、渋々視線を向けた
「君は学校を辞めたいのかね?ん?」
『何でそうなるの?』
そう言うとスネイプ先生は眉根を寄せた
「この4日間、サボりにサボった君が言うのかね、ヘルエレガル」
『僕にだって事情があるんだよ、先生』
そう言うと、多少なりとも僕の状況を知っているのか、スネイプ先生は押し黙った
『ごめんなさい、でもこれからはもうちょっと頑張ってみるよ
まぁ興味のない授業には出ないだろうけど』
それを聞いた先生は小さく溜息をついた
「少し痩せたのではないかね」
どうやら無断欠席についてはもうとやかく言うつもりはないみたいで安心した
『そうかな…? でも栄養はちゃんととってるよ』
「そんな状況の君に罰則を与える程、我輩も鬼ではない」
先生が奥の準備室に足を向ける
「来い、お茶でも淹れよう」
『……ありがとう、先生』
歩く先生の後ろを僕もついて行った
.
.
準備室は様々な薬草と鍋や瓶などの道具でいっぱいだった
だけど散らかることはなく、どれも綺麗に整頓されていて先生の性格が表れてると思った
「茶葉は何が好きなのかね?」
『なんでも
…あぁでもそうだな、ハーブティーがあるならそれを』
僕のリクエストに先生はきっちり答え、上等な茶葉のハーブティーをいれてくれた
一緒にクッキーも置かれるが、僕はそちらには手をつけなかった
先生は僕の前に座って本を読み出した
『先生』
「何かね」
『先生は…』
僕は何を聞こうとしてるんだろう
____夢魔の追い出し方知ってますか
なんて
僕がクッキーに手をつけないのを分かったのか、先生は皿を片付けた
『……先生は飲まないの?』
結局全く違うことを質問した
「必要ない」
短くそれだけ答えて先生は読書に戻った
「お茶美味しいよ、ありがとう」
「……ふん…」
静かに時が流れてく
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます!!! (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったッ!!もう最高です!主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです! あと「作者様って本派の人だッ!」ってことに気づいてとても嬉しかったです!これからゆっくりではありますが一気読みしてきます!! (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね!もう、全部一気読みしてしまいました! (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ニノココ | 作成日時:2019年1月24日 23時