第11夜 ページ13
組み分け帽子を被されて10分が経った
いよいよおかしいと気付いたらしい先生達が座っている僕を囲む
『あの…？』
顔を上げて様子を窺うが皆困惑した表情で組み分け帽子を見ていて、視線が合うことはなかった
するとダンブルドア先生が組み分け帽子と話し出した
「それで、Aはどの寮に相応しいんじゃ？」
「ウーム…」
組み分け帽子が初めて発した声に僕は『喋るんだ…』と思わず零した
だって10分間何も話さなかったんだもん
「どの寮でもやって行ける逸材だよ
しかし私は最終的には生徒の意志を尊重する」
「つまり？」
マクゴナガル先生が続きを促す
「この子は身も心も疲れ切っておる。Aが重んじているのは"安息"と"自由"
ならばこの子を縛るようなものは相応しくないと思うのだ
……そして何より、私はこの鬼才の扱い方が分からない…」
その言葉に僕は軽く驚いた
確かに、どの寮でもいいけど一人でゆっくりする時間が欲しいと思っていたからだ
家に居ない間だけでも、何も考えず静かに過ごせる時間が
『凄いね、僕のことお見通しなんだ』
帽子に向けて賞賛を贈る
「君も、大変な運命だっただろう」
その言葉に僕は苦笑いだけ返した
見えてるかどうかは知らないけど
「ダンブルドア、どうしますかな？」
黒い衣服の先生が校長に声をかける
「ワシは組み分け帽子の判断に従うまでじゃよ」
「じゃあ…」
それだけ言ってダンブルドアは大広間の全員に向けて言い放った
「諸君、これまで多くの生徒が組み分け帽子の判断で寮に分けられてきた
しかし時に、帽子をもってしても決められない逸材というのは現れるものじゃ」
ダンブルドアの言葉に大広間は更に静まる
「それが今日だった！
ホグワーツ史上初めてのことじゃ、こんなに計り知れない才能を持つ生徒は
よって今ここに、A･ヘルエレガルの為に第五の寮を創設することにした」
大広間は一気に騒がしさを増した
ざわめきは静まらない
僕も驚いてダンブルドアの背中を見つめる
「何者にも染まらぬ高潔さと、魔法界きっての俊傑になる可能性を称え
＿＿＿＿"黒の寮"を設ける！」
『え…？』
みんな料理はそっちのけで騒ぎ出す
僕はというと、急な展開に何も言えずにいた
「さぁ今日は疲れたじゃろう？
スネイプ先生に部屋に案内してもらいなさい」
振り返って校長が言う
僕は頷くことしかできなかった
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
