第40夜 ページ42
「君に折り入って頼みがあるのじゃ」
『頼み？ それって賢者の石と関係あるの？』
意図が分からず聞き返すとダンブルドア先生は「左様」と続けた
「好奇心旺盛なハリー達は自力で賢者の石を突き止めたが、同時に石が狙われておる事にも気付いてしもうた」
『あぁ、クィレル先生ね』
「おや、どうしてそれを？」
心底驚いているダンブルドア先生に、僕はクィレル先生がトロールを侵入させた事やユニコーンの血を飲んでいる姿を見たことを伝えた
「それならば話は早い、この際森に行った事は咎めんよ」
『ふふ、ありがとう』
それから先生は話を続ける
「クィレル先生だとは思うておらんじゃろうが、彼らは己の正義感が強い故にあの部屋に行ってしまうじゃろう」
『うん、確かに…』
でもそれと僕に、何の関係が…？
「それを止めようとは思わぬ、彼らにとってもこれは大きなチャンスとなるじゃろうからの
そして君にとってもじゃ、A」
『僕…？』
ますます訳が分からず首を傾げると先生は微笑みを崩さず続ける
「君に、あの子達を助けて欲しいのじゃ
つまり、彼らに同行して欲しいというわけじゃが」
『え？ヤだよ』
すかさず断ると先生は探るような視線を向けてきた
『大体、僕もうあそこには行かないって言ったよね？』
「そうかの？ フラッフィーとは遊ばんと言っておったが、行かぬとは言っておらんじゃろう」
『もう、校長なのに屁理屈はやめてよね…』
僕が呆れてため息を零しても先生は笑みを絶やさなかった
『先生は…僕に"自由"をくれるって言った』
「じゃがこうも言った筈じゃ。"環境を整えるのも、先生の仕事"じゃと」
僕が不貞腐れていると先生は椅子から立ち上がり僕の横に腰を下ろした
「のう、A。君は友達なんて居ないと言うておったの。ならホグワーツで作ればいい」
『……』
「そしてそれをワシも応援しよう」
下に向けたままの視線を、少しだけ上げた
「行ってくれんか、A」
『……なんで先生は行かないの』
「ほっほっほ、ワシも後から行くよ。しかしちょっとばかし用があっての」
「ニコラスとな」と続けた先生に、僕はもうそれ以上言い返すことは無かった
『わかったよ…。でも何があっても僕のせいにしないでね』
「もちろんじゃよ、ありがとう」
部屋を出て行く先生を見送り、面倒な事になったなぁと独り言ちる
でもま、偶にはこういうのも、悪くない、のかな…
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一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
