第24夜 ページ26
一人最後まで残り、ミルクティーを飲み終わってから、さて僕も巻き込まれる前に部屋に戻ろうと立ち上がる
部屋に戻る途中で監督生に引率されていたハリーとロンを見つけた
今度は声も掛けずに通り過ぎようとしたのだが、一つだけ気掛かりな事があったので、二人の横でポツリと呟いた
『そういえば
女子トイレで泣いてる子の気配を感じたけど、あの子もグリフィンドールじゃない？』
それを聞いた二人がハッとして顔を見合わせたかと思うと、こっそり列から抜け出して行ってしまった
僕はそれを見届けて、人の多い道を避けながら部屋に戻って行った
．
．
11月に入ると急激に寒くなり、僕の部屋の窓から見える景色は灰色に凍り付いていた
ただでさえ寒い部屋だが、窓際の近くはもっとヒンヤリとしていて身を震わせた
『
備え付けの暖炉に炎を灯すとと同時にコンコンと扉をノックする音が聞こえた
手を振って扉を開くとスネイプ先生が立っていた
『何…？』
窓際に座って外を眺めながら聞くと、先生が部屋に入ってくる音がした
「今日は寮対抗クィディッチ杯だが」
『寒いからヤダ』
手短に答えると、先生がはぁとため息をついた
そして抑揚のない声でまた口を開いた
「学校はつまらんかね、ヘルエレガル」
『そんなことないよ』
視線を外から外さずに答える
それきり先生は黙ったままで、かと言って出て行く気配も無かった
いい加減一人になりたかった僕は、先生を振り返って言った
『もういい？ ゆっくりしたいんだ』
「…ヘルエレガル」
『先生』
僕はこれ以上何も言わせまいと、ピシャリと言い放つ
『こんなことしてる暇があったら、クィレル先生でも見張ってたら』
僕の言葉に先生は瞠目し「君は…」と零したが、諦めたように踵を返した
その足が少し引き摺っている様に見えたので、僕は無言で片手を振った
一瞬にして治癒した足に先生が何かを発する前に、僕はまたもや手を振って扉をバンッと閉めた
やっと一人になった部屋に、息をこぼす
先生には申し訳ないけど、最近誰かしらと一緒に居ることが増えて少し疲れていたので当たってしまった
…今度会った時は、ちゃんと謝ろう
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1913人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
一ノ瀬 潤(プロフ) - 深掘りしたやつ公開範囲制限されたのですね😭見れなくなって残念です (6月14日 22時) (
レス) id: de4baf91a8 (このIDを非表示/違反報告)
レイ - はぁ⁉︎めちゃくちゃ好きなんですが~⁉︎読み始めたばかりなのですが、応援してます！！！ (2023年4月17日 21時) (レス) @page2 id: 58fc769308 (このIDを非表示/違反報告)
あまおうよりとちおとめの方が好き(プロフ) - 主人公の塩がちょうどいいくらいで好き (2023年2月2日 23時) (レス) @page27 id: 98a18d93d3 (このIDを非表示/違反報告)
Web版さん - この神作品を今の今まで知らなかったｯ！！もう最高です！主人公くんの心境とかの変化がゆっくり変わっていてとても読みやすいです！ あと「作者様って本派の人だｯ！」ってことに気づいてとても嬉しかったです！これからゆっくりではありますが一気読みしてきます！！ (2021年9月23日 21時) (レス) @page50 id: 902e47dacc (このIDを非表示/違反報告)
ネココロネ - こういう作品、ほんといいてすよね！もう、全部一気読みしてしまいました！ (2021年2月19日 7時) (レス) id: 58abb9e774 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ﾆﾉｺｺ
| 作成日時：2019年1月24日 23時
