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「楓っ‼︎」
「…おう。ご無沙汰」
「何その親父くさい挨拶〜誰に感化されたの？あはは(笑)」
落ち込んでると思ったから荷物すら置かずにまっすぐこっちに来たっつーのに…十分元気じゃねーか。
だけどまぁ…俺が一番好きなのは、Aがこうやって笑ってる顔なんだけど。
「あ、わざわざお土産渡しに来てくれたの？ありがとう〜」
「お前さ」
「ん？」
「いや」
「何よー」
「た、ただいま…」
「…⁉︎」
「あと、来週からはしばらく学校行く」
「…うん、うん(涙)」
「また泣く…」
「楓、おかえりなさい…」
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土曜日で珍しくおじさんおばさんがい
たから会話聞かれてないかソワソワして落ち着かないからと、近くの公園にAを連れ出した。
こんな風に落ち着いて話すの、あの合宿の花火以来だな…
「もう3ヶ月前かー…」
「おう」
「怒涛の3ヶ月だったよね、楓にとってはさ。IH出て、帰ってきたらすぐ全日本ジュニアの遠征合宿に呼ばれてーって」
「だな」
「…楽しかった？」
「…サワキタみてーなのはいなかったけど、そこそこ上手いヤツらと朝から晩までずっとバスケのことだけ考えてられたのは楽しかった…とは思う」
「沢北さんか…もうアメリカ行っちゃったんだってね」
9月最後の週に単身アメリカに向かったと国体の時にセンドーから聞いた。
いいな、アメリカか…
「…楓はいつ行くの？」
「…ニッポンイチノコウコウセイになったら」
あははと笑ってすぐ寂しそうな顔になる。
そんな顔されたら言えねーよ。
行けるもんならすぐにでも行きたい。
次の夏が終わったら行きたい。
アメリカでもっと自分のバスケを磨きたいし、上手いヤツらと勝負したい。
「来年の夏が終わったら行っちゃえばいいのに。沢北さんみたく…」
「は？」
「正直言うとさ、楓はもっと上のステージでプレーした方がいいんじゃないかと思うんだよね。宮城さんは怒るだろうけど(笑)」
…驚いた。俺がいなくて寂しいじゃなかったのか？
「流川ファンとしては凄い選手たちとバチバチやり合う流川楓を見ていたいな、って思う。すーっごく寂しいよ？だけど寂しいからって楓を引き止めるようなことはしたくないの。だから…今、少しでもアメリカ行く気があるなら、私は全力で応援するよ」
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作者名：ぎゅりこ | 作成日時：2023年2月27日 20時
