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「起きろー‼︎」
「…まだ足りん」
「何言ってんの、あと30分で練習始まるよ‼︎」
「…その手には乗らん」
「嘘じゃないよ、ホラ」
目の前に突き出してきた時計は6:30ちょい前を指している。
…マジか。

「随分疲れてたのね〜やっぱり昨日夜練なんてしなくて正解だったじゃない(笑)」
「誰のせいだと…(怒)」
昨夜門限を破ったとキャプテンと先輩に理不尽に怒られて、そのせいで普段より寝る時間が遅かった。
俺はAの巻き添い食っただけなのに…
ようやく起き上がった俺を見て、今度は爆笑しだした。
こいつは…ったく、昔っからずっと元気だよなぁ。

「…あはは‼︎ね、寝癖すっごいことなってるよ(笑)」
「…そーか?」
「もーせっかくキレイな顔してるのにもったいないなぁ(呆)昨日乾かさなかったの?」
本気でこいつ自分のせいだなんて微塵も思ってねぇな…
ま、笑ってくれるならいいか。

「そだ、朝食楓の分は残してあるからね。私は楓の練習道具持って先体育館行ってるから。さっさと食べて体育館来てね〜
「おぅ…」
じゃね〜と出ていくAの姿を見送って、寝坊して良かったかも、と思った。

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ギリギリに体育館に着いてバッシュに履き替えてる時に、ほぼ全員から寝癖がスゴいと笑われた。
何か言いたげなAの視線を見つけて少しイラッとしながら始まった朝練。
休憩中も休むことなく鮮やかにスリーをバチバチ決めるセンパイに目が釘付けになった。
もちろん俺以外にもその異変に気付いてる。

「なぁアヤちゃん、三井サン今日やけに気合い入ってね?何かあったの?」
「三井先輩今朝ランニングしてたらしいわよ」
「えぇ⁉︎あの元ヤンが⁉︎マジかよ…」
…昨日のことだろなぁ。
張本人のはずのAはまったく意に関せず「三井さん凄い‼︎ナイッシュー」とか言ってるけど、センパイからしたら生き地獄だろうな。

「流川ちょっといいか?」
「…うす」
「昨夜お前ら門限破って赤木に絞られたんだろ?あのあとすぐ帰らなかったのか?」
「…別に。すぐ帰ったす」
「そうなの?お前今朝寝坊したじゃねーか」
「…キャプテンの説教が長くて寝るのが遅くなったす」
「…だっはっは‼︎そーかそーか‼︎」
なんで笑えるんだ。
もしかしてまだ望みあるとか思ってんの?

「あいつセンパイのことフったって言ってた」
「あいつ?」
「…」
「ぐっ…」
「…ドンマイ」
「なっ…」
「センパイにはバスケがあるすから」

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作者名:ぎゅりこ | 作成日時:2023年2月27日 20時

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