Slam Dunk ~流川との未来~ (ページ14)

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Aのベッドは日本人サイズのシングルだから、俺が横になると足がベッドからはみでるし、2人で寝るには窮屈でろくに体勢を変えられやしない。
だけどずっと引っ付いていられるから嫌いじゃない。
体温も息づかいも心臓の音でさえ直に感じられる距離にAがいることがこの上ない幸せだ。

「…なぁ、いつから？」
「私はー…昔からずっとだよ」
「…⁉︎お前湘北ん時好きな人いないとか言ってたじゃねーか」
「え？そうだっけ？そんなことあった？」
「IH前の静岡合宿…」
「あー…あれは、違うよ。私の片思いだと思ってたから、楓のこと好きって言えなかっただけ…なんか…言ったとしても“めんどくせー”って言われる自信しかなかったから(汗)」
どあほう、めんどくせーなんて言うわけねーだろ…たぶん…

「…じゃあミツイサンは？」
「だーかーらー三井さんはそんなんじゃないってば(笑)告白断ったって話したよね？なんで未だにそんなに気にするの？」
「ミツイサンはやだ。お前とろうとしたから」
口に出したらあの時の気持ちを鮮明に思い出した。
はーもうこいつ目の届かないとこに行かないでくんねーかなー

「…すっごい嫉妬するんだね、楓(笑)」
「そーだよ。俺はお前が他のヤローと話したり会ったりすんのすっげーやだもん。特にミツイサンとセンドーとサワキタ」
もう一度Aに覆い被さって、どこにも行かないように閉じ込めておかなゃと本気で考えた。
今日からもう全部俺だけのもんだから。

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Aは帰国を諦めた。
そしてAはクルマがあるから多少遠くなっても通学には不便しないし、明らかに俺ん家の方が広いだろと説得してAの部屋を引き払わせ、休暇中に引っ越しを済ませた。
Aの服とか、顔に塗るやつとか、参考書とか少し物が増えたくらいだから別に困ってない。
俺の唯一の家具であるベッドは2人で寝ても大丈夫だから毎晩一緒に寝てる。
朝Aに起こされて軽めの朝メシを食って、昼はバスケして、夜またAと過ごす。
週末はAのクルマで買い出しに行ったり、ビーチまでドライブに出かけたり、とにかく四六時中常に一緒にいる俺たちのことをセンドーやサワキタはすげぇなと呆れ、宮城先輩は良かったなと笑ってくれる。
うん、俺も良かったと思ってる。
バスケットの国でAと一緒に暮らしてる。
俺の夢が叶ったってことだから。