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モヤモヤした気持ちを抱えて家に帰ってシャワーを浴びて、そのモヤモヤの正体に気がついた。
元旦にこっちいねぇとかありえん、じゃ伝わってねーかも…
だとしたらあいつ絶対日本帰るよな…
もう一度俺の真意を伝えたくて、急いでAの家に来た。

-ピンポン
「何⁉︎どうしたの⁉︎」
「会いに来た」
「会いにって、えぇ?」
「オジャマシマス」
初めて入ったAの部屋は俺ほどでなくともさっぱりと整理整頓されていて全く色気がない。
…お前も寝に帰ってるだけじゃねーか(呆)

「よくこんな狭い部屋で暮らせるな」
「別にいいでしょ、1人ならこれで十分なんだし…そんなことより何しにきたの?私荷造りで忙しいんだけど…」
「…⁉︎」
やっぱり伝わってなかったか…
鈍いことは気付いてたし、まぁもうしょうがねーよな。
狭いAの部屋で座れる場所はベッドしかない。
そこに座れと手招きした。

「俺は一度しか言わねーからちゃんと聞けよ」
「う、うん…そんな真剣な顔し」
「うるせー」
「‼︎…ご、ごめん」
ふぅっと息を吐いて隣に座るAを見つめた。

「日本には帰るな。寂しいって言うけど、俺がいんだろ。不服か?」
「だって…」
「俺に誕生日1人で過ごせって意味?俺すっごい可哀想だと思うけど?」
「可哀想って…去年どうしてたのよ(怒)それに楓、毎年お正月はずーっと寝てたでしょ…」
あー違う、全然違う。
そういうんじゃねーって。

「お前は俺のそばにいればいいんだよ。わかんねぇのか」
「…それはどういう意味なの?」
「…」
「…私のことが好きってこと?」
「嫌いなわけねぇだろ」
「じゃあ好き?」
「…」
「ねぇ、お願いだから、私のこと好きなら好きって、ちゃんと言葉にしてよ…(泣)昔から楓、言葉足りなさすぎなんだよ(泣)」
「…好きじゃなかったらこんな風にお前に会いに来ねぇ。そもそもアメリカに来いなんて言わねぇだろ。わかんねーのか」
「わからないよ‼︎私がアメリカ来なかったらどうするつもりだったの?」
「…来ないわけねぇもん」
「…日本で楓のこと待てずに誰かと付き合ったり、結婚とかしちゃってたらどうする気だったの?」
「…いや、そんなのありえねぇ」
「え?」
「俺は今までもこれからもずっとお前が隣にいると思ってる。俺はお前以外考えられん」
骨が折れそうなほど強く抱き締めて、生まれて初めて口にした言葉。
お前が安心するなら、お前を俺だけのものにできるなら、もうこれから何回でも言ってやる。
好きだ、好きだ…

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作者名:ぎゅりこ | 作成日時:2023年2月27日 20時

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