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Aがサワキタを、サワキタがAを…?
わからん。なんで急にそうなるのかさっぱりわからん。
そんなことばっかり考えて集中力がなかった今日の練習試合は、初めて途中交代を命じられた。
ベンチに戻る時のサワキタの勝ち誇った顔が許せん…

何か言わないと気が済まねぇと思い、体育館から出てきたサワキタを追いかけた先に、Aの姿を見つけてたじろいだ。
楽しそうにサワキタと歩き出したかと思うと、ふと逸らした視線の先にいる俺を見て目を丸くして驚き、そして駆け寄ってきた。
「久しぶり〜元気だった?暫く見ない間になんか逞しくなったね〜」
「別に…」
「試合は?どうだった?」
「俺じゃなくてサワキタに聞けよ」
「…サワキタ?あぁ栄治くん?うん、栄治くんは17点取ったって今聞いたよ。で、楓は?」

栄治…?俺以外に名前で呼ぶ男がいんのか?
センドーの言う通りお前まさか…
「…まさか本気でサワキタのこと好きじゃねーよな?」
「…好き⁉︎誰が⁉︎」
「お前がサワキタを」
「え?」
「違ぇよな?あのどあほうを好きになるわけねぇよな?」
「なっ…ありえないよ‼︎なんでそうなるの‼︎」

本気でわからんって顔してる。
じゃあなんでセンドーはあんなことを…
「5人で飯食ってから全然うちにも来ねぇし…」
「勝手に行けるわけないでしょー楓が呼んでくれたら行ける限り行ってたよ。でも何も連絡なかったじゃない」
「…連絡ったって俺電話もってねぇし…」
「そうだけど…」
「練習も全然見に来ねぇし…」
「授業始まったらそんな頻繁には行けないよ。そっちの学生じゃないからいつどこで練習して試合してるかも知らないもん…」
「…お前らがデキてるって聞いた」
「…栄治くんと私が!?あははは(笑)そんな深刻な顔して言うこと〜??やだー(笑)ありえないー(笑)」
俺には笑える要素一つもねぇ。
どんな気持ちで今日あいつとゲームしたと思ってんだよ…

「もうすぐクリスマスでしょ?周りの子達、結構な確率で休暇中実家に帰っちゃうみたいで寂しいから、私もその間だけ帰ろうと思ってるんだ。それまでに色々やっておかなきゃいけないことが多くてさ、課題とか大変なんだから」
「帰るってどこに?」
「ん?日本」
「はぁ?日本帰んの?」
「私の話聞いてる?帰るのはクリスマス休暇だけだよ?2日には戻ってくるもん」
「元旦は?」
「え?」
「元旦こっちにいねぇとかありえん」

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作者名:ぎゅりこ | 作成日時:2023年2月27日 20時

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