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「私たちただの幼馴染です」
この言葉にいまさらこんなに凹むとは…
微妙な空気で終わったあの食事会を最後に5人で集まることはなくなり、本格的に授業が始まったAは時間がないからとバスケも見にこねーし、ろくに会えないままただ時間だけが過ぎていた。
Aの家は知ってるからいくらでも会いに行けたけど、俺からそれをやるのは正直気が引けるし、マジで頭の良いあいつの勉強の邪魔だけはしたくなかったし…

「おぅ流川、お前また身体デカくなった?」
「…別に」
「相変わらず愛想ねーな(笑)」
「っるせー」
クリスマスも近づいた頃、久しぶりに練習試合でセンドーの大学にやってきた。
Aがいるかもしないと思うと、無意識のうちに背格好の似た黒髪を探してしまう。

「仙道、Aって元気にしてんの?最近うちの大学にもほとんど観に来なくなってさ、流川に聞いても知らね、としか言わねぇんだよ」
「幼馴染ちゃんだろ?こっちの練習にも滅多に顔出さないぜ。一回だけ見かけたんだけど、そん時はカリキュラム詰め込みすぎましたって笑ってたんだけどなぁ…俺が思うに嘘だな」
「え、あいつに何かあったのか?」
「…フフッ、オトコだよ」
はぁ?オトコって…

「…どういう意味だよ」
「ふーん、流川、お前気になるのか?」
「…別に。俺たち幼馴染だし。心配しちゃ悪ぃかよ」
「幼馴染ね(笑)ま、いーや。ビックリするぜ。相手はなんと沢北だ(笑)」
「…はぁ?」
「5人で飯食っただろ?あんときから幼馴染ちゃんのことえらい気に入っててさ、ストーカーみたいにずっと追っかけ回してたんだよあいつ(笑)」
そういや何度か試合した時、俺を見つける度にAがどうのこうのごちゃごちゃ言ってた気がする…
うるせーから無視してたけど。

「沢北のヤツ、学年も学部も違ぇのに課題をかなり手伝ってもらっててさ、練習の合間縫って図書館とかラウンジであの2人よく見かけるわ」
あー俺らもそういうのあったなIH前に…

「あの2人子犬みたいにきゃんきゃんじゃれあって可愛いんだよ。見てるこっちが幸せな気分ってゆーの?そんな感じ。幼馴染ちゃん優しい子じゃない?たぶんそのまま絆されちゃったんだと思うんだよねー(笑)沢北はバカだけど、バカだからこそ純粋で超真っ直ぐじゃん。バスケになると別人みたいにかっけーし。俺でも絆されるね〜沢北には(笑)」
あっはっはとセンドーは笑うけど、俺には全く笑えねぇ。目の前が真っ暗だ。

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作者名:ぎゅりこ | 作成日時:2023年2月27日 20時

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