検索窓
今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:2,604 hit

02.おなじ気持ち ページ3

「俺、立海に行こうと思う」


小学校からの帰り道、赤く染まった空の下で、俺はAにそう告げた。


どんな反応をするだろう、と少し楽しみだった。

ずっと一緒だったから、寂しがるかな。
わたしも一緒に行く、と言いだすかもしれない。
もしかしたら、泣いてしまうかも。
そうなったら、どうやって慰めようか。


そんなふうにいろんな反応を想定していたのに、Aの反応はそのなかのどれでもなかった。


「そうなんだ、頑張ってね」


にこ、と笑いながらそう言った。
寂しさなど感じさせない表情だった。


少し、悔しかった。
俺たちが重ねてきた時間は、その程度のものだったのか。

Aは、俺と離れることなどなんとも思わないのか。


寂しいのは、俺だけ。



そう思うと、なんだか無性に腹が立った。

Aのくせに。あんなに泣き虫だったのに。


「A、俺と離れるの寂しくないの?」


Aは少し首をかしげた。

しかし、そんなのあたりまえだというように、すぐに口を開いた。


「寂しくないよ」


その言葉が俺にとってどれほど衝撃だったか。

楽しさはふたりで二倍に、悲しみはふたりで半分ずつ。
そうやって、今までずっとやってきたのに。



Aと俺の気持ちがおなじじゃないなんて、そんなのぜったいに許せない。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←01.優越感にひたる



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
3人がお気に入り
設定タグ:テニプリ , 幸村精市 , ヤンデレ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:琉央 | 作成日時:2018年9月6日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。