【呪術廻戦】｢不幸｣が｢幸せ｣に変わるまで【五条悟】 (ページ7)

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6話遭遇③ ページ7

荒らされた店内。犯人らしき姿は店内にない。
至る所に飛び散った血とその濃い臭い。

『これは…！』

8年前のあの“事故“を嫌でも思い出してしまう。

(吐きそう…)

｢誰かいるの…?!助けて！！｣

声が聞こえた方を振り返ろうとすると強い衝撃が私を襲い、私は店の壁に叩きつけられた。

(痛っ…!?今の何!?)

風に吹き飛ばされたのかと思うような衝撃だったがここは店内。風なんて吹いているはずがない。第一ただの風にこんな威力があるはずがない。

そんなことを考えている暇もなくまた同じような衝撃を何度も受ける。

『くはっ…』

何が起きているのか把握出来ないまま私の口から血が、体も先程からのよく分からない衝撃で傷を負っているのでかすり傷が無数に出来ている。

事態の把握が出来ていない私は身動きを取ることが出来ず、風元は私で遊ぶのが飽きたとでもいうように風が止まった。

……先輩の方へ向かったようだ。

先輩は｢こないで！こないで…！！！｣と叫んでいる

先輩は"何か"が見えているのだろうか。

私には見えない何かが。

…私には何も見えない。だがこのままでは最悪先輩は死ぬ。先輩だけに見えている"何か"によって殺される。

先輩が攻撃されているのならば"何か"も向こうを向いているはずだろう。

私の左側には商品棚、前には先輩、死角を狙えばワンチャン…！！

この時私は相手が幽霊だったらなんてことは微塵も考えていなかった。

相手からの攻撃がこちらに通るのならばこちらからも攻撃自体は通るのではないかと考えたのだ。

音を出さずに左奥の商品棚、先輩達の死角へ移動。

私は力には自信がある方で、車が雪にハマった時等は私がいつも"車の後方部分を持ち上げて"動かしている。

そのパワーがあるならこの商品棚も持ち上げられると私は考えたのだ。

そして見えない何かは先輩に気を取られているようだ。先輩が泣いている。早く助けなければ…！！！

『おっらぁぁぁぁぁぁぁ！！！！』

ﾄﾞｶｯｼｬｧｧｧと見えない何かにぶつかりそのまま飛んでいってしまった。

…と思ったが今投げた棚が変形し、へこんだのを認識した瞬間私のお腹に先程の攻撃とは比べ物にならないくらいの激痛が走った。

(やばい、死ぬ！！！！)

確実に死ぬと思った瞬間だった。…だけどここで私が死んだら先輩は…確実に助からない！！

既に大怪我だけど出血量はそこまで多くないみたいだった。致命傷じゃない…！！

私が、先輩を助けるんだ！