大陸の奇跡に全力で恋をした

名字で嬉しい ページ10

それにしても、この子の顔、やっぱりどこかで見たことある気がするんだけどな……？





「あ、俺クォン・スニョン。よろしく」





　彼がそう名乗った瞬間思い出した。


　彼──スニョンくんは、いつもジュンフィくんと一緒にいる男の子だ！



　私と同じ名字だったんだ。それがなんだか嬉しくて、さっきまで名字を憎く思っていたところだったけど撤回する。





『クォン・Aです。よろしくね』





　軽く頭を下げて自己紹介をすると、スニョンくんは「A……」と呟いて、思い出したように手を叩いた。





HS「あぁ、もしかして去年の文化祭のポスター描いてくれた子？」





『うん。そうだけど……』





　……何でそんな細かいこと覚えてるんだろう？


　確かに去年はジュンフィくんに頼まれてポスターを描いたけど、自分の名前は書かなかったし、一部の友達以外、私が描いたことは知らないはずなんだけどな。





『何で知ってるの？』





HS「ん、ジュニが言ってた」





『うそ！？』





　……しまった。つい大きな声を出してしまった。



　近くの席の何人かが私たちをチラリと見る。ジュンフィくんは……気付いていないみたい。



　目の前のスニョンくんも、急に大声を出した私に驚いたみたいだけど、すぐにふにゃりと笑った。





HS「分かりやすいな。A」





　その言葉にサラがまた笑うのだった。
　









※スニョンくんは「ホシ」→「HS」表記でいきます。分かりにくくてごめんなさい＞＜

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