大陸の奇跡に全力で恋をした

優しくする ページ42

でも良いな。この人は、生まれつきこんなに綺麗なお顔をしているんだから、今の私みたいに好きな人のために作戦を立てたことなんてないでしょうに。



　そうしなくても好きな人から寄って来てくれそうだもんね。



　……目の前の綺麗な顔が、急にものすごく憎たらしく思えてきた。





『ん"ん"……ところで覡さんは』





「ジョンハン」





『？』





「俺の名前。覡じゃなくて」





『あぁ、なるほど！……ジョンハンさんは、好きな人にはどうやってアピールしますか？』





JH「え、何、いきなり」





『やっぱりアピールとかしたことないですか？女の人に困ったことないでしょ』





JH「人聞き悪いな」





　ジョンハンさんは少し考える仕草をしたあと、少し言いにくそうに言った。





JH「まぁ……他の子よりは優しくするけど」





『さいですか』





JH「聞いといて何なのマジで」





　他の子よりは優しくする……



　ジュンくんもそうなのかな。



　ジュンくんはただでさえ皆に優しいから、それ以上に優しくなんてされたら大変なことになってしまうんじゃないか。





JH「お前さては好きな人のこと願いに来てんだろ」





『あれ、バレました』





JH「青春してんなぁ」





　ゆーてあなたもバリバリのＤＫやんけ。



　中年ように溜め息を吐くジョンハンさん。





JH「頑張れよ」





『ありがとうございます』




　なんだかんだ優しい人だ。

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