想い ページ35
紅丸side
「…避けやがる」
ポツリと呟いた声は街の喧騒に掻き消された
Aに率直な気持ちを言ったものの、目が合うと顔を逸らし、ばったり会うと後退られる
前も似たような事があったよな…
確かあれはAに接吻をした時か
こんなにモヤモヤする事も滅多にねぇぞ、おい
これじゃあ、修業にも身が入らねぇ
雲ひとつない空を見上げては小さく息を吐き出した
その瞬間
閉まっていた襖がスパーンッと音をたてて開いた
目だけを開いた襖の方へ向けるとそこには俯いたAがいて
勢いよく俺の方を見たAの表情は何かを決意したような…
「新門 紅丸！」
「…あ？」
俺の名前を呼んでスタスタとこちらに歩いて来るA
そして…
勢いのまま俺に抱き着いてきたAに小さく肩が揺れる
何が、起きてんだ…？
「…好き」
聞こえるか聞こえないかのか細い声
だが、確かに聞こえた言葉に反応する
首に回っている腕に力が籠った
「A、顔見せろ」
「…無理」
「……おい」
Aの顔を見ようと引き剥がそうとするも、Aも半ば意地になって離れようとしない
「……A」
「無理無理」
「てめぇいい加減にしろよ。つべこべ言わず顔見せろ」
「ちょっ、紅、やめっ……っ！？」
首に回っていたAの腕を掴み無理やり顔を覗き込むと驚きで目を見開いた
「……なんて
耳まで赤くして、恥ずかしさからか涙目にまでなっているA
「み、見るな〜…」
顔を背けるAだが逆効果だ
ますますこっち向かせたくなる
Aの無防備な首筋に唇を押し付けるとピクリと体が小さく揺れる
「ちょ、紅…っ」
「もう遠慮はいらねぇって事だろうが」
「そ、そうであってそうじゃなくって…！」
耳、頬、鎖骨に接吻を落としていくとAが限界に達し、俺の方を振り向く
「隙あり」
「んっ！？」
こちらを向いた瞬間、唇を奪うと後ろに引くAの腰に手を回し体を自分に引き寄せる
やっと、か
「ん……ふぅ……紅っ…」
Aの甘い声が耳に響く
唇を離すとAの蕩けた顔が視界いっぱいに広がる
柄じゃねぇが……
これはやべぇな
自分を抑えるようにAを抱き締める
そっと背中に回った手に空を見上げ目を閉じた
「やっと俺のもんになったな」
「……馬鹿紅」
…
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ルナ(プロフ) - たにーさんさん» 次々に読んで下さるなんて…！ありがとうございます！紅丸様かっこいいですよね！男気溢れてるとこ大好きすぎる！コメント、とても励みになります！ (2020年10月9日 7時) (
レス) id: 55c48036e0 (このIDを非表示/違反報告)
たにーさん - 面白いです、初め呪術迴戦から来たけど炎炎ノ消防隊にもはまりました、因みに私も推しは紅丸様です！これからもたくさんいい作品を残してください (2020年10月8日 22時) (レス) id: 0ff6ba9ef6 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 環さん» マジすか、ありがとうございまっす！私、嬉死しそう。病院でキュン病と診断される事を切実に願っておりますわ← (2020年7月7日 7時) (レス) id: 55c48036e0 (このIDを非表示/違反報告)
環 - 最高すぎてさっきから心臓が痛いです。病院行って来ますわ← (2020年7月7日 0時) (レス) id: d54dba2782 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - 紗奈さん» 幾つも作品読んでくださりありがとうございます！励みになります！ (2020年5月2日 8時) (レス) id: af238d4901 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ルナ | 作成日時：2019年11月2日 15時
