2日目 ページ3
何度目かの堅苦しい式典服に身を包んで向かった先で起こっていた事に目を見開く
リドルとアズールが追い掛けている狸のような魔物
座り込んでしまっている見知らぬ女の子
『何ですか、この状況…』
「侵入者よ。突然現れて暴れてるの」
ポツリと呟いた私の言葉に偶然隣にいたヴィル先輩が反応してくれた
『そんなに簡単に忍び込めるんですか?
セキュリティもう少し強化してもらわないと
私、魔法は使えないし
「そんな事はないはずなんだけど…ねぇ?」
「ギクゥッ!」
チラッとヴィル先輩が学園長先生の方を見ると学園長先生の肩が大きく揺れる
この人がトップで大丈夫なのかしら
時々不安になるわ
それに…
『あの子は?』
オロオロと辺りを見渡し始めた女の子を見つめる
まるで昔の私を見ているよう
まぁ、あの子よりは落ち着いていたけれど…
「ゴッホン!…どうやら馬車が誤って迎えに行ってしまったようでして、闇の鏡からも“どの寮にも属さず、魔力もない”と言われてしまいまして」
『また、ですか?』
「一体何故このような事が起こるのか…調査を続けなければなりませんね。あー忙しい忙しい!」
私が学園長先生を睨めば、気まずそうに目を逸らし終いには顔すら反対側を向く学園長先生に溜息を吐いた
こんなにポンポンポンポン、別世界から人を連れて来られても困るんだけど
主に連れて来られた側が
不安そうに眉を下げている女の子の元へ足を向け、ゆっくりと近付いて行く
私に気付いて見上げてくる女の子にソッと手を差し出した
『初めまして。貴女、行く宛てがないなら私の寮へいらっしゃい。他に行くよりは安全よ』
そう言って微笑むと女の子の表情が少し和らぐ
ここは名門魔法士養成学校、ナイトレイブンカレッジ
通称:NRC
7つの寮に属する生徒達が切磋琢磨し、勉学に励んでいる
それだけ聞けば何の問題もないように聞こえるけれど、ここは男子校
その中に女の子が飛び込むはめになるのはとても危険な事
そんなの同じ女として放っておけるはずないでしょ
ましてや同じ異世界人なら…
だから、私は迷わず貴女に手を伸ばしたの
『私はA。貴女の先輩よ、以後よろしく』
「は、初めまして!私ユウって言います」
どうかその笑顔が陰りませんように…__
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NA - 面白いです!!続きが気になります! (2023年1月8日 23時) (レス) id: 9c547ad202 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルナ | 作成日時:2021年5月4日 18時