嗤う為の嘘 ページ4
男魔法使いはニヤリと下衆びた笑みを浮かべる。
「まーいいや。のこのこ出てきてくれてありがとよ。大人しくやられとけ」
「君達如きに、俺が倒せるって? ハッ、冗談でしょ?」
「てめえ! 無法者の癖に! ぶっ殺してやる!!」
魔法使い如きが俺を侮るなんて。
鼻で笑ってやれば、簡単に激昂して魔法を撃ってくる。燃え上がる青い炎の球、バチバチと鳴る電気の球、空気すら凍てつかせる氷の球。威力自体は致死的ダメージだが……軌道が一直線だし、一点を狙っている為、避ける事も容易い。
後ろに避けると見せ掛けて前に出る。思い切り屈んで駆け抜け、頭上を魔法球が通り過ぎていく。背後に着弾し、土煙が煙幕の様に立ち込める。
何だ、どこに行った、そんな焦る声が聴こえる。この連携の悪さ、訓練生だろう。調子に乗って襲撃に来たのが運の尽きだった訳だ。
素早く回復役の魔法使いの後ろに回り、項に手刀を撃ち込む。崩れ落ちる魔法使いを受け止めて静かに横たえる。親切心からではなく、音を立ててバレない為にだ。
次に防御役2人。兄様から貰った睡眠針を首筋にぷつりと刺す。強力な即効性の睡眠薬は2人の意識を容易く奪う。彼らも回復役と同じ様に寝かせる。
さて、後は攻撃役だけだが、彼らもようやく異常さに気付いた。仲間の安否を気にし始める。さっさと終わらせてしまおう。
木陰に潜み、致死性の麻痺毒を塗ったナイフを投擲する。一直線に飛んだナイフは、炎魔法の男に突き刺さる。慌てふためいている間にもう2本。これも容易く突き刺さり、1人に至っては眼球を抉っていった。
全員、戦闘不能。
まぁ、この程度の相手なら真っ向からやっても良かったのだけど、疲れるだろう?
魔法使いの死体からナイフを引き抜き、寝かせてある3人を一瞥する。
さぁ、お楽しみの時間だ。
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