人生は僕を嫌っている。【神樹を守る子ら】 (ページ2)

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吸収の病ページ2

僕は、化け物になる為に生まれてきた様なモノだ。

魔法を使える様になった2歳の頃から、何だか息苦しくて、時々気絶してしまう事もあった。医師の話によると、僕は吸収型魔力過多と呼ばれる体質らしい。その名の通り、大気から吸収する魔力が多過ぎて、体内の魔力が過多になり易いのだとか。つまり、クリーチャー化し易いという事。
幸い、幼い間はまだ吸収率が低い方で、毎日少しずつ魔法を使っていれば安心だと言われた。だから、毎日欠かさず魔法の練習をした。強くなれるし、体調を安定させる為にも、生活を上手く出来る様にする為にも、練習は必要不可欠だった。

だけど、歳を重ねるごとに、どんどん吸収率は増していった。5歳になる頃には、もう普段の練習だけでは間に合わなくなっていた。医師の提案で、日常的に探知魔法を発動させておく事にした。消費した分はすぐに吸収回復してしまうが、それでもやらないよりはマシだ。その上で練習をする。そうすれば何とかなると。

励まされて、支えられて、どうにかこうにかクリーチャー化を防いで。
そのお陰で魔法はあっという間に同年代の数倍は優れる様になったし、魔力許容量も増えた。

でも、やっぱり苦しい。

やっぱり痛い。

どう足掻いたって、僕のこの運命は変えられないんだ。

それなのに、こんなのって、虚しいじゃないか。

僕を侵すのは、『空虚』という名の、吸収の病。