鴉に攫われたのは花嫁？花婿？【MHA】 (ページ10)

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10羽ページ10

「う、そ……でしょ？」

自分の目の前に広がる景色に目を疑った。
半壊した建物。拘束された若頭。何もかもが可笑しく開いた口が塞がらないとはこの事か…と分からされた。

「A……？」

「ぁ、…若頭！」

「何故ここにいるん、う"ぐっ！？」

僕達の話を遮り、死柄木さんが若頭の両手を崩壊させた。

「何してるんですか！！」

「餓鬼は黙ってろ。

……オーバーホール(お前)がした事が全部俺達の手柄に変わる」

「お前っ…」

「後は指をくわえて見てるだけだなぁ？」

「……っ」

歩き去る死柄木さん達を横目に無くなった両手から血を流す若頭に寄り添い涙を流す事しか出来なかった。

「…お前は本当に煩いな」

「だ、って…わかっ、頭のっ手がぁ」

「今までした事の当然の報いだろう」

「でもっ！」

やり方は間違ったかもしれない。
壊理ちゃんに酷い事をしたのも分かってる。
だけど_______

「貴方は仲間を守ろうとしたじゃないですか！」

拘束器具を解きながら若頭に話し掛ける。
だが彼は何も言ってはくれない…

「…僕に若頭を助けさせて下さい」

「何を馬鹿な事を」

「少し痛いのを我慢してください」

若頭の腕に触れ、傷に触る。
時間が経過してる筈なのに血は止まらない。

「_____repair」

その言葉を口にすると先程までの若頭の手は治った
誰も知らない僕のもうひとつの個性。

「母方の個性を受け継いでたんです」

驚いた顔を浮かべながら起き上がる若頭に苦笑いをする。

「欠点が多いからあまり使いたくないですし…」

「……とりあえず行くぞ」

「はい」

今は若頭の背中について行く事しか出来なかった。
この時、壊理ちゃんがヒーロー達に保護されていたのを目にした僕は心から安心した。