鴉に攫われたのは花嫁？花婿？【MHA】 (ページ6)

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壊理ちゃんの部屋から出て
鴉の仕事部屋…みたいな所に呼ばれた。

「これは…？」

「晩飯」

「あ、はぁ…？」

仕事机とは別のテーブルに綺麗に並べられたオムライスが2人分置いてあり、ケチャップで「お疲れ様」と書かれている。

「書いたの鴉さんですか？」

「は？」

「何でもないです」

言葉に出来ない程の形相で睨まれ体が硬直する。
壊理ちゃんと遊んでて忘れてたけどここは死穢八斎會だという事を思い出した。

「食べないのか」

「食べます」

怖いけど目の前の好物に勝るものは無い。

「いただきます。…んっ、美味しい……」

お腹がすいているのか疲れているのか、僕は次々オムライスを口に詰めていく…美味しい…んだけど、なんかどっかで食べたことある気がする。

「あ、」

「なんだいきなり」

「鴉さんの名前聞いてないんですけど」

「鴉？…俺の事か」

僕の言葉に納得した顔を見せる。
何故そのマスクを着けるのかは聞かないけど…

「名前で呼んだ方がいい気がして」

いや、鴉さんって呼び続ける事が失礼だと思ってて名前を聞きたいだけなんだけど下手な事言うととんでもない事になりそうで…

「オーバーホール」

「それ、個性の名前ですよね？」

「今はこれで通してる」

「成程。…じゃあ、呼びにくいのでオーバーさん」

「却下」

即答で断られ「えぇ…」と口から不満がこぼれる。

「わかりました！じゃあ、オーくんで！」

「はぁ？」

「さんだと何となくおっさんに聞き間違えそうで」

「一理あるな」

(いやねぇよ！？)と心の中で叫んだのは内緒です。
呼び方が決まった事で他にも_______～♪♪
突然、スマホが鳴り響く。

「し、焦凍…からだ！」

「出るな！！」

「え！？あっ……痛っ！」

僕が電話に出ようとした時に鴉の手がスマホに触れて握っていた鉄が弾けた。飛んだ破片が頬に耳に小さな切り傷を残した。

「……」

「……壊理ちゃんの所に戻ります」

お互い何も言えずに僕は壊理ちゃんの部屋に戻った
幸いな事に傷は大したことなくてすぐに血も止まった。

「あれは僕が悪い…」

自分が悪い事はすぐに理解出来た。
ただ、ずっと大切にしていたスマホが消えてた。
あの中には大切な物が沢山入っていたのに…