50羽 ページ50
｢なんで…？｣
目の前の事実に驚きを隠せない。
何故エンターテイナーは焦凍を連れてきた？
素直に着いて来る訳じゃないだろうし…
｢いきなり目の前現れて『幼馴染に会いたいだろ』
って球体の中に入れられた｣
周りに敵しか居ない事から目付きが悪い
彼はヒーローなんだから仕方の無い事…だよね
｢今日はめでたい日だ。そんな顔するなよ。｣
｢は？｣
｢この2人の服装見てわかんねぇのか？｣
死柄木が僕と若頭を前へ突き出した。
それを見て焦凍は首を傾げるだけ…
まぁ、普通に分からないのが正解かと
｢今は2人の結婚式をしているんですよ！｣
｢汚いだろ！お祝いしろよ！｣
トガとトゥワイスが野次を飛ばす。が、睨まれる。
この目付きは完全に"炎司さんを吹っ切る前"の目だ
冷たくて怖くて何処か寂しそうな…
｢し、焦凍！僕本当に若頭の事好きなんだ…｣
｢……｣
｢確かに最初の出会いは最悪だし怖かったけど…
若頭は身を呈して僕を守ってくれたよ｣
｢……｣
腕を組んだまま無言で僕の顔を見る。
｢壊理ちゃんの事は…やり過ぎだと思う。けど…
若頭は自分なりに自分の場所を守ろうとしてて…｣
喋ってると段々頭が真っ白になる。
もはや自分がなんて言ってるかも理解不能だ。
｢…って｣
｢な、なに？｣
｢俺だってお前の事が好きだ｣
｢僕も好｢Aとは好きの度合いが違うんだろ？｣
焦凍の言葉に何も言えなくなる…
確かにそうだ。僕が彼を好きだというのは幼馴染として"好き"だという事なのだから
｢俺はずっと小さい時から好きだった｣
｢もうそれくらいに…｣
焦凍を止めようとしたエンターテイナー。
それを無視して若頭の方へ歩いていく焦凍をただ見つめることしか出来なかった。
｢…くそヤクザ。Aを死ぬ気で守れよ…｣
｢っ…、分かっている。｣
少しの間若頭の胸ぐらを掴んで離した。
それでまた僕の元へ…
｢絶対幸せになれよ｣
と言い残して消えていった。
僕はあの時、あの背中になんて言えば良かった？
っていう話がもう10年くらい前の事。
｢またそのアルバムを見てるのか？｣
｢廻さん！｣
手に持つアルバムのページを捲る。
でかでかと映るは焦凍と八百万さんの写真だった
私と廻さんの婚姻した半年後に焦凍は八百万さんと
結婚するとニュースでやっていた。
テレビで見た光景はとても派手で眩しかったな…
｢でも、焦凍が幸せなら…｣
_____________________________END
終わり
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モンブラン - 私好みです！この小説！更新楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2018年6月27日 22時) (
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作者名：猫太 | 作成日時：2018年3月8日 12時
