46羽 ページ46
冷たい空気が漂う
街とはそんなに離れてないのに…
「A」
「…ん」
安心したせいか体から力が抜けた
気持ちが高ぶって叫んだりしたし喉も痛いな…
「早く終わらせて変えるか」
「ん」
死柄木の言葉に頷く
よく見たら周りは記者だらけ…
心做しかヒーローもちらほら出てきた。
「あー、そろそろかな？」
「じゃ、Aちゃんは隠れててね」
「隠れ…る？」
「ん、ちょっとの間我慢して」
エンターテイナーの素手が僕の目を覆った瞬間に
視界がガラス越しの大きな世界に変わった。
「なんで…」
外の皆には僕の声は聞こえない。
僕も皆の声が聞こえない。
________無音の世界
「出して…出してよ！」
厚いガラスを叩きながら叫ぶ…が無力
僕はエンターテイナーの胸ポケットに収められた。
景色は真っ黒。聞こえる音は自分の声だけ。
怖い。
「やっぱ…僕は要らなかったんだ…」
真っ暗な世界に1人で取り残された感覚。
不思議とこの感覚は初めてじゃないと思った。
「いつだっけ？」
思い出せないな…
なんか…こう、大切な時だった気がするけど…
「今皆何してるんだろ？ていうか何分経った？」
不安になって来た。
此処から出して貰えるのか…
それともずっとこのままなのか…
「いや、ずっとは無いよね…流石に」
嫌なことばかり考える…
駄目だ。泣いてはいけない。みんなに嫌われる。
「まぁ…気長に待つしか、眩しっ！」
ポケットから取り出されて一瞬で体が戻った。
目の前には……若頭が居て
「A！？」
僕を見て驚いている。
これは…夢なのか？
「若頭！僕は5年待っていました！」
夢なら…
覚める前に…
「今でも変わらずに貴方の事を…」
言ってしまえ。
やってしまえ。
「愛しています！」
「何を馬鹿なこっ、んぅっ」
幸せな夢だ。
若頭に会えた！好きだと伝えた！口付けをした！
「さぁ、幕引きだな」
「えっ？！あっ、ちょ！！」
エンターテイナーが僕の目を覆って球体へ…
さっきと違うのは
「クソ狭いな…」
「そ、そうですね」
2人一緒に入れられた事だろう。
1人だとそれ程感じなかったが2人だとかなり狭く感じる。
「……」
体がピクリとも動かせない。
真っ暗でも分かるくらいに顔が近い。
「大丈夫か」
「へ、あ？大丈夫です！！」
先程の自分の行動を思い出し自分の馬鹿さ加減を知った気がする。
「夢じゃなかったんだ…」
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モンブラン - 私好みです！この小説！更新楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2018年6月27日 22時) (
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作者名：猫太 | 作成日時：2018年3月8日 12時
