鴉に攫われたのは花嫁？花婿？【MHA】 (ページ37)

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37羽ページ37

________轟 side

雄英を卒業してすぐにA組の奴らはヒーロー活動に勤しんでいた

俺だってそうだ。

親父の事務所に入って毎日何かしらの事件を解決
それは勿論……

「変化さんに自分の姿を見せる為？」

「あぁ、そうだ」

「確かにテレビだったら目に入るもんね！今やショートは人気ヒーローだしモデルもやってるからテレビや雑誌に映らない時はないんじゃないかって…」

Aが居なくなった日から約3年。
何処で何をしているのか、誰に攫われたのか分からない

唯一残ってた治崎廻の血痕は個性の暴走で腕を負傷した時のものだと言っていた。

「…でもやっと」

「変化さんの目撃情報があったんだね」

緑谷の声に小さく頷く

情報によれば Aは神野にある廃工場地帯周辺でよく目撃されている…という
上から下まで黒の服を着た男と一緒に歩いてたとか

「見つかるといいね」

「あぁ…」

＊

＊

＊

________________________________________

「…なかなか見当たらないね」

数時間。情報に出ていた廃工場周辺を探し回った。
誰一人として通行人を見かけない…

「こんな不気味な所に来るわけねぇか…」

怖がりなAがこんな所に居る筈ない。
薄暗い場所なんか特に嫌いだし…

「人がいる所に行ってみよう」

(アイツは人見知りなんだよな)

緑谷の隣を歩きながらAの事を考える。
好きな物、嫌いな物、得意な事、苦手な事…
全部理解してたと思ってたのに

あの時だって本当は助けを求めてたのかもしれない
そう思うとあの時の自分が情けなかった。

『見てないわね』『わからない』『知らない』

誰に聞いても同じような答えが返ってくる。
誰でもいい…お願いだからAの事を教えてくれ

心の中でそうやって唱えていた

でも結局________________

「見つからなかったね…」

1日探し回って何ひとつ情報を得ることが出来なかった

夏も終わってしまう