36羽 ページ36
「うっわぁ…」
「あ"つ"い"っ」
梅雨も明け、太陽が容赦なく照りつける
そんな僕は何故か毎日の様に外へ散歩に行く
夏だし暑いのは当たり前の事で気温も38℃だ
それなのに…
「なんでそんなに重装備なの？」
僕はシャツにジーンズというラフな格好なのに隣を歩く死柄木はと言うと、真っ黒なスウェット上下。
見てる僕も余計に暑苦しく感じる…
本人も汗を滝のように流し顔色がより一層悪い。
「そこの公園で涼んで行こっか」
「あぁ…」
目の前の公園を指さして歩く。
そこには沢山の子供が暑いのも忘れてはしゃぎ回っている
木陰には子供達の保護者と思われる女性達が楽しそうに会話しているのが見えた
「平和って感じ」
「はぁ？」
「っ！？」
思っていた事が口から出ていたらしく死柄木が馬鹿にした顔を僕に向けた
「お前まだ悩んでんの」
「悩んで…？」
「マグネの事だよ」
「……」
しれっとした顔で死柄木が爆弾を投げ込んできた。
彼の言う通りマグネさんの事が頭から離れない…
「もう少しで鴉も出てくるしな」
「っ、…」
死柄木の言葉に内心ドキッとした。
あと2年で若頭が刑務所から出てくる…
正直な話 その事で僕は喜んでいいのか分からない。
「…今する話じゃねぇな」
首を少し掻いてから立ち上がった。
「俺がアイツの事を言えるような人生じゃねぇし」
ボソッと呟く表情がとても寂しそうだった。
「…帰ろうぜ」
「うん」
僕は何も言えなかった。
この季節に響く蝉の鳴き声が妙に耳に張り付いて
今にも暑さと煩さで倒れてしまいそうだ…
(なんて答えたら正解なんだろう…)
数分前の死柄木に何て声を掛ければ、なんて言えば
あんな哀しそうな顔をしなかったんだろう
「あちぃ…」
「その服装だと尚更暑…っ！」
「あ…、どうした」
死柄木の背に隠れて前を指さす。
その先には________
「ショートと…緑谷？」
見覚えのある緑色のくせっ毛と綺麗に分かれた紅白頭
紛れもなく幼馴染とその友人だった。
「なんでこんな所にいるんだよ」
「わ、かんない…」
急いで黒霧さんに居場所を連絡していた。
今更彼に…焦凍に合わす顔がない…
「大丈夫ですか？」
「黒霧さん。ありがとうございます…」
黒霧さんの体を通ってアジトに帰る。
アジトに足を踏み入れた瞬間に身体の力が抜けた
「…怖い」
僕の暑い夏は幼馴染の顔見た瞬間に終わっていた
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モンブラン - 私好みです！この小説！更新楽しみにしてます！頑張って下さい！ (2018年6月27日 22時) (
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作者名：猫太 | 作成日時：2018年3月8日 12時
