鴉に攫われたのは花嫁？花婿？【MHA】 (ページ23)

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軽くなった体で急いで家に向かう
今日は自分が若頭の為に御飯を作ろうと思って…

「ただいま！」

ドアを開けて大きな声で叫んでも…

「あれ…？」

返事が帰ってくることは無かった。
何時もこの時間ならお風呂掃除をしている筈なのに

「いないんで…っ！？」

「おかえり」

「い、いきなり出てこないでくださいよ…」

リビングのドアを開けた瞬間に若頭とぶつかった。
どうやら掃除に集中し過ぎて声に気付かなかったらしい

それはさておき、僕は若頭の顔に違和感を覚えた

「額の傷治したんですか？」

「……」

今日の朝、学校行く時までは確かに傷があった。
でも今更治すだろうか？そもそも個性だって使いたくないって言ってたのに…

「Aちゃんは鋭いですね！」

「何がっ、ひぇっ！？」

若頭の体の表面が溶け中から渡我被身子が出てきた
しかも……

「服を着てください！！！」

何も纏わずに…
知らなかった。渡我の個性が"こういうもの"だとは
だったら本物の若頭は何処にいる？

そう考えると自然と体が動き出した。
家にあるドアというドアを片っ端から開けて行く
お風呂、両親の部屋、物置…そして最後に僕の部屋

________ｶﾞﾁｬ

「……っ、うぇ…」

僕のベッドに押し付けられた若頭。
シーツには血が広がっている…

「やっと帰ってきたか」

死柄木が僕に見せ付けるように若頭の右腕をあげる
前のように肘から先がなくなっていた。

苦しそうに呼吸をする若頭。
不気味に笑う死柄木弔。

「それじゃあ、交渉を始めようか」

「交渉？、うわっ！？」

いつの間にか僕の背後に現れた荼毘になす術なく捕まり床に座らせられた。

「敵連合に入るか入らないか…って事」

「なんでっ、」

「おっと…下手に動くと此奴が死ぬかもな？」

無抵抗な若頭の髪を引っ張り顔を強引にあげる。
シーツから広がった血液がとうとう床に垂れていく

「なぁ、どうすんの？」

「僕が敵連合に入ったら若頭はどうなるの…」

焦りと恐怖からか声が掠れる。
僕の言葉に死柄木がにやぁっといやらしい顔を見せて笑う。

「勿論一緒に連れてくさ」

一瞬「なんの為に」と口を開き掛けた。
なぜ口を閉じたのかと言うと…僕の手首に熱を感じたからだった。

僕を抑える荼毘が余計な事を言わないようにか、仲間になるとしか言わせない為の事だろう。

「…敵連合に行けばいいんだね？」

今ここで騒いだってヒーローは来ないだろう。