出会い ページ1
貴族の城から抜け出して2日間何も考えずに走った。2度と戻らない…戻りたくないと願って走った。
「はっ、はっ…」
街から森へ行き、人目の付かない場所を目指す
誰も私の知らない場所へ行きたい。私を利用しない世界に…
「……こ、こは…」
山を抜けた所に大きな洞穴があった。
中は薄暗くて怖いけど身を隠すなら、こういう場所がいいんじゃないか…と思い入る事にした。
中は案の定 昼間でも暗く自分ですら何処に居るのか分からなくなる程だ。壁に手をつけて転ばぬように慎重に歩いていく
「はっ…うぅ…」
2日間走り続け、食事も水分も取る暇がなかった自分の身体は限界だと音をあげ始め足が重くなる。
「せ、かく…じゆう……に」
言葉さえもまともに発することが出来ない。
その時…
______________ぴとっ
「っ！？」
私の手が生暖かいなにかに触れた。
これは石じゃない…生き物だと確信して目を凝らす
「！！…………」
何かを見た後からの記憶はそこで途絶えた。
＊
「…目ぇ覚めたか」
「ひぃっ！！」
目を覚ますと 赤い瞳が私を睨みつけた。
避けていた人との接触で体が硬直してしまう…
(この人も私を利用するのだろうか…
また痛い事をされるのだろうか)
そう思うと体が震えてまともに話す事も困難だった
「おい！話聞いてんのか？」
「は、ぃ…」
「だから てめぇは何処から来たのか聞いてんだよ」
器を差し出しながら口悪く質問をする
器の中身は暖かいお茶のようなものだった。
「…どこに行けばいいのか分からないんです」
「はぁ？」
「幼い時から色んな人達の間を転々としていて
何処が本当の私の家なのか分からないんです」
「……」
私の話を聞いて 頭を掻きながら考え込む…そして
「行く場所ねぇならここに居ればいい」
静かな声でそう告げた。
「その代わり、てめぇの個性を教えろ」
「え？」
「それが嘘で本当はドラゴン狙いの可能性もある」
それは自分の中でも正当な理由だと思った。素性もしれない人間をここに置くんだ、不審に思われる事は可笑しくない。
ただ…これを見せてしまうと私は街に戻る事になるかもしれない。
「教えられねぇ個性なのか？」
「……っ、」
「は、…？」
折角逃げたのにあの生活に戻るのかもしれないと思うと涙が出てきてしまう…
目から流れ落ちた涙は床に落ちる度にｶﾂﾝ…と音を立てる。
「これが私の、個性です」
落ちた透明な石を拾って少年に渡す。
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猫太(プロフ) - 黒猫さん» ありがとうございます！出来るだけ早く更新できるように頑張ります！ (2017年12月28日 11時) (
レス) id: 89a089bb8f (このIDを非表示/違反報告)
黒猫 - 更新楽しみに待ってます(*^_^*) (2017年12月26日 22時) (レス) id: 04cf0d7a4d (このIDを非表示/違反報告)
猫太(プロフ) - りんご飴さん» ありがとうございます！お楽しみ頂けるように頑張ります！ (2017年12月24日 16時) (レス) id: 89a089bb8f (このIDを非表示/違反報告)
りんご飴 - 凄いです！ＥDのやつですね！続き楽しみに待ってます！ (2017年12月24日 15時) (レス) id: 65eac10195 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫太 | 作成日時：2017年12月21日 13時
