6話 緑谷出久side ページ6
最初は混乱から始まった。
事が終わりに近づいて行くにつれて今の現状が理解できなくなってきた。
｢八百万！毛布を作ってくれ！｣
｢分かりました！｣
轟くんが血相を変えて妹である轟さんを抱えてる
それが見えたのはほんの一瞬だったけど…
________そもそも何が起きた？
事の始まりは約数時間前の事。
僕達A組は今日のヒーロー学の為にとある施設に来ていた。
｢ここはウソの災害や事故ルーム！
略してU S J です！｣
スペースヒーロー 13号先生が施設の説明、個性の話をしていく…
『個性で人を殺せる』その言葉が突き刺さった。
｢…何あれ｣
轟さんの声に皆が中央広場の方に目を向ける。
黒いモヤの中から次々と人が出てきていた
｢全員ひとかたまりになって動くな！！｣
｢入試の時みたいにもう始まってる的なやつか？｣
｢いや違う。あれは敵だ…｣
その言葉と共に相澤先生が敵の方へ飛び下りた。
『嬲り殺す』その言葉と共にモヤに呑まれた僕らは
________バシャッ！！
それぞれ何処かに移動させられていた。
｢ありがとう…蛙吹さん…｣
｢梅雨ちゃんと呼んで｣
｢ここは…水難ゾーンでしょうか？｣
僕、蛙吹さん、轟さんは水難ゾーンに飛ばされた。
1艘の船の周りには水が得意であろう敵が沢山いて簡単には逃げられそうにはない。
｢ここはササッと凍らせましょうか｣
轟さんが船のそこに触れようとした瞬間________
｢きゃっ！？｣
船が真っ二つに割れた。いや、割られたんだ。
大きく傾く船。
割れたと同時に水中から顔を出す敵達。
｢1箇所に集まれば楽なのに…｣
プール全体に散らばった敵を見て轟さんがそう呟いた。
｢…僕の個性で水を弾いて…轟さんの個性で凍らせれば簡単に…でも｣
個性を使えば僕の右手は使えなくなるかもしれない
ほかの場所で皆が戦ってるかもしれないのに役に立てなくなるかもしれない…
｢でも今はここを…｣
これ以外に方法はないと思ったら身体が動いた。
敵に当てないように…水を弾くだけ…
｢すまぁぁぁぁっしゅ！！｣
________ﾄﾞｫｫﾝ！！
水が大きく揺れる。
右手がズキズキと痛む。
｢ありがとうございます！緑谷くん！｣
水が引いた瞬間にピキピキと音を立てながら周囲が凍っていった。
あんな広範囲を一瞬で…？
｢とりあえず第1関門は突破ね｣
蛙吹さんに抱えられて広場へ戻る。
僕達は目を疑った。
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作者名：猫太 | 作成日時：2018年9月11日 12時
