秘密恋愛 Kenjiro.Y ~TWO~

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ASide






｢ごめん。｣



そう言って歩き始める。


私よりも前を歩いているからどんな表情をしているか分からない。





ただ、涙を拭うだけの私。




｢その涙は岩ちゃんの浮気？ それとも俺がキスしたから？｣




あと少しで学校ってところで立ち止まる隆くん。




なんであの時拒否できなかったんだろうか。


隆くんからのキスを受け入れたら岩ちゃんと同じだって分かってたのに。




｢岩ちゃんがあんな中途半端だとは思わなかったな...｣



｢俺さ小さい頃からAが好き 幼馴染としても好きだけど1人の女の子として大好き｣

いつも隆くんはそばにいてくれて。



楽しい時も辛い時もニコニコ笑って励ましてくれた。




そんな隆くんを好きにならないわけがなかった。



｢俺じゃダメなの？｣





でも。



でも私は。




｢ごめん！ 隆くんはやっぱり隆くんだよ｣



恐る恐る顔を上げるといつもと変わらない笑顔でニコニコしている隆くんがいた。



｢知ってた笑 はぁーすっきりした！ やっぱ健ちゃんには勝てないかー｣





え！？



知ってたの？




ってか、置いていかないでよ！

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