秘密恋愛 Kenjiro.Y ~TWO~

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ASide






教室のドアをガラッと開ける。



｢げっ｣



｢げってなに笑｣






と、仔犬スマイルで笑っている岩ちゃん。





さっきの話題。




正直に言って会いたくなかった人。





謎の沈黙の中窓の淵に雨が打ち付けられている。






｢あのさ｣



先に沈黙を破ったのは岩ちゃんだった。
顔を上げれば真剣な眼差しをしていた。






｢岩ちゃんにとって私って何？｣



気がつけばそんなことを言っていた。


目の前には驚いた表情の岩ちゃん。




｢なにって彼女じゃん｣



｢美人な女の人も？｣



｢それは...｣




なぜ、こんなことを聞いたのかわからない。


怒っているはずなのに。

悲しいはずなのに。

言い訳をしようとしている岩ちゃんにイラついているはずなのに。






全然悲しくない。




やっぱりかって思ってしまう。




岩ちゃんに私なんか不釣り合い。


そんなこと分かっていた。







ガラッ



｢岩ちゃんと...萩野｣





運良くというのか悪くなのか。





｢｢健二郎先生/健ちゃん｣｣

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