片想いラピスラズリ*【花巻貴大】 (ページ9)

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知ってるページ9

『購買いこー』

「うん！」

「うちパス」

『じゃ、待ってて』

「りょー」

1限目の私とは裏腹に4限目で爆睡だった夜々子氏。

眠さのせいなのか、はたまた弁当持参したのか、夜々子は購買に行かないらしい。

「Aちゃん、2限目グランド見てたよね。瑠璃姫いた？」

『んーん、多分いなかった思う。まああんまりよく顔見えなかったから』

「そっかー、誰だろうね、瑠璃姫」

『見たのも一瞬だからさ、一目惚れって凄いよね』

そうだね～、なんて返すみうも過去に一目惚れをしている。確か男子バレー部の…誰だったかな。
瑠璃姫のことも覚えていない私がその人のことを覚えているはずがなかった。

ようやく着いた購買部は混みに混み合っていた。その人混みをかきわけ手にしたパンはメロンパン。あとミルクティー。

この組み合わせが最高なんですよそれが。

迷わずそれを購入し、私はみうのところへ戻ろうとまた人混みをかき分ける。

「すごい混むんだね、購買って」

『ね、こんなに凄いとは思わなかった』

冷えたミルクティーとメロンパンを手に、私たちは階段を上る。3階まで登らなきゃいけないと思うと憂鬱だ。

踊り場を過ぎ、二階への階段を登ろうとした時香った、甘い匂い。

私、この匂い知ってる。