片想いラピスラズリ*【花巻貴大】 (ページ6)

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イケメンページ6

「おはよう」

「Aちゃんおはよう！」

『おは～』

朝早い1年2組の教室は、まだ人もまばらだ。

私は席について教科書を取り出す。

「なんか思い出した？」

『……なーんも』

「そっかー」

私の前の席に座り、こちらを見てくる夜々子。

「今日から瑠璃姫探し？」

『まあ……そうなるよね』

「ねえねえ！この学校のイケメンさん探し回ってみたら？」

『イケメン、さん？』

「みうナイス。この学校何気イケメン多いらしいしいけるかもよ？」

「たとえば……」

「「「キャー！オイカワサーン」」」

「及川さんとか」

『カッコイイの？』

「ファンクラブある的な」

『ほー、』

でもそんなんじゃないと思うんだ。こう、みんなの前に立つような感じの人じゃなかった。

偏見かもしれないけど。

『なーんでお姫様みたいに見えたんだろ』

「それ気になってた」

「ね、男なのにお姫様とか」

「雰囲気がそんな感じだったの？」

『うん』

ほぇー、といいながら紙パックのジュースを飲むみう。可愛い顔してさ、ｽﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞって音たてんのやめた方いいよ。

(瑠璃姫……〝姫〟かぁ)

あながちその呼び名も間違ってない気がする。