片想いラピスラズリ*【花巻貴大】 (ページ14)

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青い春ページ14

「あれ、A今日なんか違くない？」

朝、私の前の席にやって来てそうそう変化に気づいた夜々子。
さすが。その観察眼は凄すぎる。

『何が違うでしょーか』

ワイシャツのボタンを一個外して、リボンも緩めに結んだ。ネックレスを隠しちゃ意味無いし。

「…………あ、ネックレス？」

『大正解！』

わーっと夜々子を褒める。たった少しの変化だけど気づいてくれたことが嬉しい。

『いつもの雑貨屋に行ったんだ』

「これ売ってたの？」

『そう』

「そうなんだ、運命じゃん」

ほんとだ。運命だ。
たまたま雑貨屋に行って、たまたまこのネックレスが売ってて、それを見つけて。

『……そうかもね』

「青春だねぇ」

「春だねぇ」

『みうおはよ』

「おはよー」

「顔ゆるゆるだよA」

『え』

持っていたプリントを机に置いて頬を手で挟む。
自然と口角が上がっていて、俗に言うニヤケ顔になっていた。

『うわ、ニヤケ止まんない』

「ブッサイクだよ」

「上に同じ」

『うるさいよ、みうと夜々子』

2人に痛くないチョップをかます。

なんか、本当に“青春”って感じがする。
恋をするだけで世界はこんなに変わってしまった。

(今日はいい日になりそう)