君に恋するひとりごと【ky】 (ページ9)

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大雨な彼女ページ9

「何がラッキーだって？」
「うおっ」

もっとかわいい声出ねぇの？とか言いながらルンルンのテンションのまま転けかけた私を支えてくれるキヨの顔は笑っている。いや、急に話しかけられる方の気持ち想像してみ？心臓止まるかと思ったよ。
それより、あのキヨが外に出るなんてなんの心境の変化だ。あー、それでこの雨だったのか。まぁ本人に聞けば早いかと軽い気持ちで聞けば、

「散歩」

そんな食いぎみに答えなくてもって速さで答えが返ってくる。
へぇ、散歩かぁ。さっきまで大雨だったのに？生活習慣バグってるキヨがまだお日さまが出てる夕方に？
聞きたいことはたくさんあるが、これ以上聞くなって顔をしているので一言だけ返す。

「ちょっと遅かったね」
「うるせ。元を辿ればAが傘忘れたのが悪いだろ」
「ﾊｲﾊｲ。すみませーん」

長年キヨの隣にいれば、私のことを雑な扱いをしてくる割りに結構大切に見ていてくれているのを知っている。たぶん、傘を持って迎えに来ようとしてくれてたんだと思う。それを素直に言えないところがキヨっぽくて口元だけで小さく笑った。

「相合い傘出来なくて残念だった？」
「Aみたいにバカじゃねぇから。傘2本持ってきてたし」
「それを言ったら私だけ脳内花畑みたいじゃんかー」

バカみたいにふたりで笑って、傾いた西日で出来た長い影を重ねながらいつもよりゆっくりと帰り道を歩いた。
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#夕立 #天気予報 #カフェ