お姫様な彼女※ ページ33
創作ちゃんメイン。地雷注意
控えめに俺のパーカーが引かれて下を向くと目を爛々と輝かせためいがいた。……なんで起きてんのぉ。俺と寝る〜！つって一緒にベッドで寝たよな？寝息スースーしてたの確認して抜けてきたんだけど。繋いだちっせぇ手離すのにかけた時間返せよ。時計を見ると午後21時。俺のお姫様が遊ぶにはもう遅い時間だ。
「こんな時間に起きてんのは悪い子だけなんだぞ」
「わるい子でいいもーん」
目が覚めてしまったのかキャッキャと足下を走り回るめいを捕まえて、一緒に近くの椅子に座る。まだまだ俺の膝の上にすっぽりと収まるめいは、同学年の中でもちびっこの方だった。『あのね、あのね〜！』と小さな足をパタパタさせているめいの言葉を要約すると、『自分はもうすぐお姉ちゃんになるんだから起きてていいんだもんっ』てところだ。
自称寝かしつけのプロであるAは、最後にお義母さんに会いに行ってこよーっとひとり気ままに北海道へ帰省した。1週間もしない内に帰ってくるし、めいが『パパといる〜』と泣きわめいたので俺とめいはお留守番。生活力皆無の俺との留守番を選んだときには正気を疑ったが、パパっ子のめいには関係ないらしい。許しを貰ってぴょんぴょん跳ねて、Aに下に響くと叱られていた。
「お姉ちゃんになりてぇなら、弟のお手本になんねぇと」
「え〜」
「てことで、寝るぞ」
俺の目線まで持ち上げられためいは、首を掴んで落ちまいとしてくる。いや落とさねぇし、少し痛ぇんだけど。
ちょっと苦労して、力を入れたら折れちゃいそうな身体を布団のなかにしまいこむ。はしゃいだめいのキックが見事顔面にヒットしました。ねぇー。Aに似て、やんちゃなめいを布団でホールドする。
「え〜。ねむくないよ。あそぼーよ」
「んじゃ、俺も一緒に寝っから。それで寝てくれるっしょ？」
そんなに起きてたら身長止まるぞって脅しが効くようになるのはもう少し先か。あきらめて俺も寝ると提示する。21時に寝るって超健康。明日のツイはそれに決まりだ。ネタも健康もくれためいの隣に潜り込み、ちっちゃな手に捕まった。
「パパおやすみ〜」
さっきまで駄々こねて寝なかったのだーれ！って叫びたいほど呆気なく寝た。これは将来狡い女になることを俺は保証する。熟睡したお姫様の寝顔を見てたら、起きるはずだった俺も本当に寝てしまった。
翌日それをAに電話したら、私に似て策士だぁっとほざかれた。策士って意味今すぐ調べろ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 50人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涙(るい) | 作成日時：2021年2月1日 7時
