7本目 ページ9
「クッソこの糸……これでも消えねえのかよ！！」
個性について話したら今日は許してくれる、とは何だったのだろうか。先程からもう30回は糸を爆破しようとしている。無駄だって言ってるのになぁ……。ああ、もしかして！
「好きな人でもいらっしゃったんですか」
「ハァ！？」
……この反応はどっちだ？
「……もし、好きな人がいてもその人と付き合ったりは出来ます。安心して――」
「いるかんなもん！」
あ、いないのか。ならまあ、最悪は防げたのかな。これから出来るかもしれないから何とも言えないけれど。それは私だって例外じゃないし。というか私のタイプはもう少し優しくて家庭的っぽい家事とか出来そうな感じの人がいいので、ほぼ真逆といっていい。
「担任のとこ行くぞ」
「担任？ どこのですか」
「俺のに決まってんだろちったぁ頭回せ」
本当に腹立つんだけど。何なの、明日になったら切れてたりしないかな。怖いから敬語になっちゃうし話しづらい。何でこんな同級生に敬語使わなきゃいけないんだ。
「担任の先生、そういう個性なんですか？」
「無効化出来んなら少しは効果あるかもしんねえだろ」
「……無効化ですか、凄いなぁ」
張本人がどうにも出来ないのを、仮にどうにかしてくれるならありがたい。さすがヒーロー科、担任の先生まで強そうな個性持ってるな。
「じゃあ早速明日の昼にでも」
「あ？ 今からに決まってんだろ」
「え」
「文句あんのかよ」
無いです……としか答えられないよねそんな「口答えしたら殺す」みたいな雰囲気で言われたら。ええでも、ヒーロー科の先生……心の準備が……。普通科の私から見たらヒーロー科なんて別世界みたいだし、その生徒達を纏める先生なんて、会うのに緊張するに決まってる。やばい、会う前から心臓が口から出そう。
そんな私の様子など気にも留めない様子で爆豪勝己はスタスタと歩いていくので、私も数歩分後ろから必死に追いかける。もう少しゆっくり歩いてほしいものである。こっちは女子やぞ。
程なくして職員室と書かれた扉の前に到着する。緊張のせいか、実際の大きさよりだいぶ大きく見えた。え、嫌だ入りたくない。
「失礼します」
あ、安心した……失礼しますとか言えるんだね。じゃなくて、もっとこう、「入るぞ」とか聞いてよ。私のこと全く眼中に無いでしょ。
「相澤センセーいますか」
ゆらりと黒い人が振り向く。ああもう、既に怖い。
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廿楽(プロフ) - くまめとろさん» 復活しました。待っていてくださってありがとうございます。コメントも感謝致します。 (2021年9月16日 1時) (
レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞乃さん» 長い間放置していて申し訳ありません。また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 朧月さん» お待たせしました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
くまめとろ(プロフ) - 更新の通知きてびっくりしました…好きなので嬉しいです (2021年9月1日 21時) (レス) id: b5e5ff3f06 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 更新させてて叫んでしまいました……！ありがとうございます(；；) (2021年8月25日 12時) (レス) id: e6a7fa3ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月25日 15時
