24本目 ページ26
「面倒臭ぇ」
しばらく何かを考えたような素振りで再度こちらを見て爆豪はそう言った。いったい何に対しての“面倒臭ぇ”なのだろうか。聞きたくとも強張った表情筋がそれを許さない。
「クソ糸が出たのもてめェといちいち会うのもクラスの奴らに何か言われんのも全部面倒臭ぇ」
「まさかの全部……」
いや、まあそうだよな〜一方的に巻き込まれているだけの彼にとっては厄介極まりない案件なわけで。私にもどうにも出来ないしどうしよう、何て答えるのが正解なんだろう。
「……赤い縁って、もっときらきらしたものを想像してたのに」
「あ゛？」
ふと口をついた言葉はしっかり聞かれてしまったみたいで、大層不機嫌そうな声が返ってきて肩が跳ねた。どうしてこんなことを言ってしまったんだろう。縁に夢見ることなんてとっくに止めたのに。何とか誤魔化そうと言葉を考えても何も出てこずに呼吸で終わる。あれ、私どうしてこんなに話せないんだっけ？ 爆豪勝己が怖いせい……だよね？
「てめェがクソ糸をどう思ってようがどうでもいいんだよ」
「……そう、だよね」
赤い縁……本当にどうして今更になって現れるかなぁ。完全に腫れ物だよ、きみ。でもなぁ、昔ずっと憧れていたせいか、完全に無碍にも出来ない自分がいるんだよ。
「俺が1番腹立ってんのはてめェだ」
突然の宣告にはじめは言葉も出なかった。だんだんと私の中でも何かが沸き立つのを感じた。言い返したところでどうにもならないだろうし、第一騒いで誰かに聞かれるのも嫌だ。ここは我慢すべきなのだろう。
「そもそも、私が悪いんだし」
「今何つった」
「……私が悪いよねって言っただけ」
「そういうところだよクソが！」
は？ 我慢した挙句罵られた。意味がわからない。
「クソ糸はてめェにどうにか出来るわけじゃねえんだろ？」
「う、うん……ごめ」
「もう謝んな鬱陶しい。1回聞きゃ十分だし、そういう態度クソうぜぇ腹立つ」
じゃあ何を言えば怒らないんだろう？ どうにか出来なくてもこの個性は私のもの。であれば、責任は私にあるはず。
「どうにか出来ねえことを考えてたってしょうがねえだろ」
「だけど、出来ればこれ……どうにかしたいんじゃないの」
「無理なことをやれって言うほど馬鹿じゃねえよ」
それでもやっぱりどうにかした方がいいのだろう。私1人で出来ることは大体やって無理だった。
「だから、2人でやるぞ」
「……え？」
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廿楽(プロフ) - くまめとろさん» 復活しました。待っていてくださってありがとうございます。コメントも感謝致します。 (2021年9月16日 1時) (
レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞乃さん» 長い間放置していて申し訳ありません。また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 朧月さん» お待たせしました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
くまめとろ(プロフ) - 更新の通知きてびっくりしました…好きなので嬉しいです (2021年9月1日 21時) (レス) id: b5e5ff3f06 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 更新させてて叫んでしまいました……！ありがとうございます(；；) (2021年8月25日 12時) (レス) id: e6a7fa3ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月25日 15時
