23本目 ページ25
「てめェ何考えてやがる！」
「いっ……！！」
現在、イケメンに壁ドンされるもそんなロマンとはかけ離れた感情を抱いている。第一、痛い。壁に背中をドンされ、爪先立ちになりそうな勢いで胸倉を掴まれている。第二に、怖い。鬼の形相で裏階段へ連れられた後、鬼も逃げ出す形相のまま怒鳴られているのだ。ギャグ漫画なら漏らしていたに違いない。
「何考えてんのかって聞いてんだよ」
少し静かに、しかし低い声で問われた。いや、こっちのセリフだ。か弱い普通科女子を引きずって壁ドンとか何を考えているんだ。ドSか。とりあえずこの状況を何とかしないと……えーと、敬語は駄目で、おどおどするのも駄目だったよね、頑張れ私。
「く、苦しい……とりあえず離し……うわっ」
突然放たれてふらつく体を何とか真っ直ぐ立たせて息を整えた。言っとくけど心臓バックバクだから、話してる途中に口から飛び出るかもしれない。
「経緯を話すと長くなるんだけど、どっから話す？」
「要約出来ねえならはじめっから話せ」
「友達、私達仲良くさせたい、私引きずられる、現在に至る」
少し馬鹿にされた気がするので、日本語を覚えたての外国人風に要約してやった。遠慮をする必要がないのならこういうことをしたって……めっちゃ睨まれてる！？ え、怖い。だっておどおどしたら怒るじゃん？ 普通に説明出来るほど私も状況把握しきれてないし、じゃあふざけるしかなくない？
「女だろうが俺はぶん殴るしぶっ殺すぞ」
「ぼ、暴力は良くないんじゃない！？ はじめから話すからその拳を降ろして？」
舌打ち混じりに降ろされた拳はまだ握られていて、何かあれば殴る準備万端といった雰囲気だった。早く、と急かされる前に私は
「じゃあ俺とてめェが話す為にダチがてめェを連れてきたと？」
「そ、そうで……うん、そう」
ですます口調を無理やり抑えつつ相槌を打つ。怪訝そうな表情を隠そうともせず、同時に品定めするかのように私を見た。所謂蛇に睨まれた蛙状態になった私はただその視線に耐えるしかなかった。だって物凄く怖いんだもの……。
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廿楽(プロフ) - くまめとろさん» 復活しました。待っていてくださってありがとうございます。コメントも感謝致します。 (2021年9月16日 1時) (
レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞乃さん» 長い間放置していて申し訳ありません。また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 朧月さん» お待たせしました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
くまめとろ(プロフ) - 更新の通知きてびっくりしました…好きなので嬉しいです (2021年9月1日 21時) (レス) id: b5e5ff3f06 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 更新させてて叫んでしまいました……！ありがとうございます(；；) (2021年8月25日 12時) (レス) id: e6a7fa3ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月25日 15時
