13本目 ページ15
「……逃げてませんけど」
「あっそ……つーかその敬語クソきめぇんだよ」
「それは大変申し訳ございませ……いった！」
女子の脛を蹴るヒーローがいますか？ テーブルの下で他の生徒からは見えないからって、結構な威力のものを食らったんだけど。あり得ないだろ。
「あんま調子乗ってると次は左いくからな」
「あんた本当にヒーロー科なわけ……？」
「はじめっから普通に話しゃいい話だ」
つまり私が悪いと。敬語だったのは君が怖いからに決まってるじゃないか……自覚無しか？ さては質が悪いな？
「一応うちの実家縁結びの神社なんで、この縁について聞いてみたんだけど……」
爆豪の視線と私の視線がぶつかり、咄嗟に逸らす。まじで人が殺せそうな目してるんだもん。「で？」とばかりに見てくるものだから蛇に睨まれた蛙のような気分になった。
「赤い縁を切ることに関しては
「結論から言え、要約しろ馬鹿」
「最後の希望が絶たれた、以上」
語尾に怒りマークが付くような声色で言い放った。この人は自分以外を人間だと思っているのだろうか。確かに凄いのは認めざるをえないが、それにしてももう少しこう、あるだろ。
「じゃあ何だ、諦めろってか」
「そーですね……痛っ」
今のも駄目ですかそうですか。左脚の脛のライフが2/3くらい削れたんだけど。絶対この人私のこと人間だと思ってないでしょ。
「何でてめェなんかと……」
いやいやこっちのセリフね、それ。もう50回くらい考えてるよ、どうせなら轟焦凍とかが良かったなとかね。とても言えないけど！
「まあ、潔く諦めた方が楽だと」
「随分冷静じゃねえか」
「何と言うか、思ったより君の方がダメージ受けてるっぽくて1周回って落ち着いたというか……個性の性質上勝手に結ばれる縁には慣れたというか……」
この縁はほら、気にしなければ別の人と恋愛だって、結婚だって可能だし。一族でも偶にそういう人いるらしいし。そもそも運命の人が見つかっただけで良い方って教えられたし。こんな状況だから全く喜べやしないしいっそのこと見つからない方が忘れられていた、とかも考えるけど。
「ダメージだぁ？ 受けてねぇわ舐めんな」
「あ、そう。それならまあ、普通に学校生活を送ればいいよ。私もそうするつもりだし」
じゃ、と空いたお皿を持ってそそくさと返却口に向かう。うん、大分耐性付いた。自分を労いたい気分だ。
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廿楽(プロフ) - くまめとろさん» 復活しました。待っていてくださってありがとうございます。コメントも感謝致します。 (2021年9月16日 1時) (
レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞乃さん» 長い間放置していて申し訳ありません。また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 朧月さん» お待たせしました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
くまめとろ(プロフ) - 更新の通知きてびっくりしました…好きなので嬉しいです (2021年9月1日 21時) (レス) id: b5e5ff3f06 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 更新させてて叫んでしまいました……！ありがとうございます(；；) (2021年8月25日 12時) (レス) id: e6a7fa3ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月25日 15時
