12本目 ページ14
「もう駄目かもしれん」
「来て早々どうした」
席に着くなり死んだ目で友達に呟くと、器用にスマートフォンでゲームをしながら対応してくれた。そんな感じだとこちらも気が楽である。
「ば、爆豪勝己に喧嘩売って逃げた」
「概要からぶっ飛んでんね」
「昨日は猛ダッシュで帰った。今日早退したい」
「だから昨日阿呆みたいに早かったのか。皆と下痢かなーって話してたわ」
「待ってそれはそれで嫌だ」
何という大胆予想だろうか。女子高生捕まえて下痢って君達ね、と睨んでみるが、人間別の恐ろしいものがあると心が広くなるのか大して気にならない。
昨日家に帰って爆豪勝己との怒鳴りあいを思い返したが、自分でもお前そりゃ無いよって内容を言ってて震えて眠った。これだから中途半端チキンは困る。
そしてやっぱり縁は消えてなかった。縁結びの神様は私に恨みでもあるのだろうか。やっぱり女としての努力を数年怠ってきたからだろうか。あんまりだ……と今日も今日とて絶望していた。
昼、今日は見兼ねた友達が何か奢ってくれるというので、嬉々として学食についていった。が、しかし。
「うっそ彼氏に呼ばれた、ごめんねー私行くわ」と困ったように笑って席を立っていったのである。彼女はサンドイッチを頼んでいたから、完食は早かったのだが、私はアラビアータの上にデザートを頼んでいたので、友達が食べ終わるのに間に合うはずも無く。途中からぼっち飯のスタートだった。
それだけならよかったんだ、まだ。空いた向かいの席に座ったのは誰だと思う？ 察しの良い人ならわかったよね。そう、爆豪勝己だ。彼が、友達がいなくなってから数秒で、その席に座ったのだ。
「よぉ、随分とまあ“縁”があるなぁ？」
縁という部分を強調してくる辺り、嫌味に他ならない。
「別のところに行けばいいのでは……」
止めろ私も乗るな。昨日死ぬ程後悔したの忘れたのかよ。
「別んとこ行くくらいならてめェが立って食え馬鹿女」
「は？ 何1つ意味がわからないんですけど？」
何で私が立たなきゃならんのだ。どこまで傍若無人なんだこの男は。
「てめェ昨日逃げただろ」
ほらー要らん相手するから自分の首を絞めることになるんだよー！ 馬鹿か私は。アラビアータが辛いせいかそれとも別の原因か、背中に汗が滲むのを感じた。
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廿楽(プロフ) - くまめとろさん» 復活しました。待っていてくださってありがとうございます。コメントも感謝致します。 (2021年9月16日 1時) (
レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 瑞乃さん» 長い間放置していて申し訳ありません。また読んでいただけると嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
廿楽(プロフ) - 朧月さん» お待たせしました！喜んでいただけて嬉しいです。 (2021年9月16日 1時) (レス) id: 3ef6add51e (このIDを非表示/違反報告)
くまめとろ(プロフ) - 更新の通知きてびっくりしました…好きなので嬉しいです (2021年9月1日 21時) (レス) id: b5e5ff3f06 (このIDを非表示/違反報告)
瑞乃(プロフ) - 更新させてて叫んでしまいました……！ありがとうございます(；；) (2021年8月25日 12時) (レス) id: e6a7fa3ebe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：廿楽
| 作成日時：2017年8月25日 15時
