天邪鬼 -Ren Meguro- (ページ9)

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Seventeen⑨ ページ9

てんやわんやの前日を乗り越えいよいよ文化祭当日。

前日起こった事件はとっくに広まっていて、鬼ヶ峰もまた生活指導に注意されたんだとか。多分あの女子軍団がチクったんだろう。悪いのは別に鬼ヶ峰じゃないのに。

「あ、鬼ヶ峰！」

ちょうど楽器を運んでいた鬼ヶ峰に声をかける。
また厄介な噂がたたないよう、一応人がいないことを確認して。

「昨日はまじごめん。俺のせいで。」

俺がもっと鬼ヶ峰への態度に気をつけてればあんな事にはならなかったはず。
ジャニーズである以前に自分の優越感を優先した結果、鬼ヶ峰に迷惑をかけてしまったことをずっと俺は悔やんでいた。

情けなくて、何もできない自分が惨めで。

貴「…なんかされたっけ？」
「は？」
貴「いや…あんた私になんかした？」

予想外の答えに拍子抜けする。まじかこいつ。

「昨日のあの女子の嫉妬の原因、俺だから」
貴「えー…そうだったんだ」
「聞かされてねえの？」
貴「言ってたかもしれないけど私ほぼ聞いてなかったから。」

重そうに持っていた機材を一つ持たせてもらう。
せめてもの罪滅ぼしのつもりで。

「それでまあ、俺ジャニーズやってんのに鬼ヶ峰巻き込んだ結果ああなっちゃったからさ、」

謝りたくて、と続けるとびっくりした顔でこっちを見る。

貴「ジャニーズやってんの？」
「知らなかった？」
貴「え、隣の席の人だよね君」
「まってまってそこから？」

なにそれショック。俺ただの隣の席のヤツだと思われてたの？
時別感感じてたの俺だけじゃんつら。

貴「ごめんて覚えるよ。」
「目黒蓮。覚えて、絶対。」

ムキになって少し睨むと「ウケるw」と笑った。
俺ばっか必死じゃん。ムカつく。