天邪鬼 -Ren Meguro- (ページ4)

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Seventeen④ ページ4

今まで昼休みと放課後は俺らの教室に鬼ヶ峰の兄、拓先輩が妹を迎えにきていた。

俺と同じくらいの身長に爽やかな笑顔。鬼ヶ峰と真反対すぎて本当に血が繋がっているのかと不思議に思ってしまうほどだった。

教室前で俺らのクラスの女子に絡まれつつも鬼ヶ峰が来ると「じゃあ」と言って兄妹揃ってどこかへ行ってしまう。
 
それがある日から拓先輩だけでなくもう2人、先輩らしき人たちまで来るように。
茶髪マッシュと黒髪ロン毛。2人ともギターらしきケースを持っている。

ついでに言うと鬼ヶ峰も同じようなケースを背中に背負ってた。拓先輩はドラムスティックを片手に。
 

日頃クラスメイトの誰とも話さず寝ているか一人でいることが多いため、クラスの女子からはぼっちだの変人だの散々嘲笑われていた。

がしかしまさかの年上の先輩とつるみ出したことに女子たちは驚きを隠せない様子。
「なにあれ！？どういうこと！？」と動揺している。

廊下を背の高い男3人に囲まれて歩く姿は目立つなんてもんじゃない。すれ違う人みんなが振り返るほどだ。
 
 
その日からだった。
昼休みと放課後、音楽室で音楽が聞こえてくるようになったのは。
防音壁のため廊下からではよく聞こえなかったが、力強い楽器の音、
そして笑い声がたまに漏れていた。
 

果たして鬼ヶ峰もこの中にいるのかと疑っていたが、時折「A！」と楽しげに呼ぶ先輩たちの声がしていた。

何となく、あの先輩3人といるときの鬼ヶ峰は
俺らといるときとは違う

少し柔らかい表情をしているような気がしていて、
なんて。

気のせいかもなんだけど。
 
 
 
 
 