天邪鬼 -Ren Meguro- (ページ18)

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#6 ページ18

拓「悪いね。Aがあんな感じで」
「あぁいや…w」
 

鬼ヶ峰の兄、拓先輩が楽屋まで来てくれていた。
鬼ヶ峰は明日の雑誌のインタビューで早めに帰宅したそう。
 
 
「拓先輩知ってたんすね、俺のこと」

拓「いや俺らの高校で知らねえ奴はほとんどいなかったってwAが特殊なだけw」

「俺当時も覚えられてなかったすもん。隣の席のやつ、ってだけで」
 
 
 
俺と同じくらいの身長は変わらず、当たり前だが5年前よりも大人っぽくなっている。重めの黒い前髪から覗く優しげな目も健在だった。
 
 
拓「え、そんなことなかったけど」
「…と言いますと？」

拓「お前、たまに部室とかで話に出てたぞ。」

「は！？そうなんすか！？」

拓「Aの口から俺ら以外の名前が出ることなんてあり得なかったから俺らもびっくりしちゃって。文化祭あたりか？よく話すようになったのは」
 

 
複雑だけど嬉しすぎて思わず手で口を押さえる。
じゃないと多分また俺にやついちゃう。
さっきまで凹んでたのに、ほんと俺鬼ヶ峰のことになるとチョロいな。
 
 

「…あいつ、どんなこと言ってました？」
拓「何だっけなー、やたらデケえ奴が隣にいるってとこからそいつがジャニーズやってるらしいって今更言って来たり…」
 

 
それならその時もっとアピールしとけばよかった、と後悔が頭をよぎる
そうしていれば疎遠になることも今になって忘れられることもなかったのかもしれないのに。
 