天邪鬼 -Ren Meguro- (ページ11)

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Seventeen⑪ ページ11

友「すげえ人だな…」

13時25分。何とかギリギリ間に合った。
最前列は鬼ヶ峰と拓先輩ファンクラブで埋め尽くされてるものの、割といい席に入れたとは思う。予約を頑張ってくれた友達に感謝感謝。

「すげえ…俺らの学校ってこんな人いたんだ…」
校庭は四隅余さずと言っていいほど人で埋め尽くされている。
昨日のことといい、問題児の美女がステージに立つなら当然か。複雑ではあるけど。

友「お、出てきたぞ」

黒を基調とした衣装を纏った4人がステージに出てくる。
途端に「ワアッ」とどよめく観客。
色んな所から拓先輩への黄色い歓声や「A～～！！」と野太い声が聞こえる。

いいな俺もAって呼びてえ。

「俺も名前叫んでいいかな」
友「馬鹿お前戦争が起こるぞ」

ちぇっ。つまんねえの。
鬼ヶ峰は黒のTシャツに黒のレギンスで白いギターを持ちながらチューニングなりマイクの確認をしている。
シンプルな衣装が鬼ヶ峰のスタイルの良さをより際立たせていた。

友「お、始まんじゃね？」

鬼ヶ峰含むメンバーが動きを止める。
会場は程なくして静寂に包まれた。

ドラムがスティックをあげ「1、2、3、4！」と叫ぶ。
次の瞬間楽器が勢いよくメロディーを奏で始め観客はひときわ大きな歓声を送った。

鬼ヶ峰は俯いていた顔を上げてニヤリと笑った。
一瞬目があったような気がしたけど、気のせい？俺の気のせい？

貴「ようこそ」

今までに見たことのないくらい眩しい笑顔をした鬼ヶ峰に

一瞬で俺は釘付けになっていた。