天邪鬼 -Ren Meguro- (ページ2)

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Seventeen② ページ2

その女、鬼ヶ峰Aが来てから1週間。
 
どうやら彼女には鬼ヶ峰拓という兄がいるみたいで一緒にこの学校に転入したそう。
それがどうもその兄とやらは彼女と違って愛想も人柄もいいらしく、一躍学校中から注目を集めていた。
 
いやまあ妹の方も相当注目されてんだけど。色んな意味で。
 
こないだの授業中の話。
俺らの学校にはむやみに生徒に当てて答えられないと大袈裟にいびってくる悪徳教師が1人いて、厄介なことにそいつが学年主任だもんで誰も口出し出来ないし言う気もない状態。みんな黙って時が過ぎるのを待つので精一杯。
 
その日も普通に。
誰が今日被害にあうかってびくついてただけ。
 
 
先「お～～キミが噂の鬼ヶ峰さんね」
 
早速という感じで鬼ヶ峰に絡み出す。
教室中、「出たよこの感じ」と言う雰囲気。可哀想～～とニヤつく奴もいた。
 
先「なんでも向こうの高校で成績トップだったんだって？嬉しいな～そんな優秀な生徒が来てくれるなんて」
 
「は？向こうで成績トップとかやっばw」とまた男子がざわつく。
彼女は俯いててなんにも答えない。なんなら起きてるのかもわからない。
その後も何回か鬼ヶ峰に問いかけるものの応答なし。
気づけば20分ほど経っていた。
 
 
先「…さっきからその態度は何だ、鬼ヶ峰」
 
うわ、きた。
 
先「いくら成績優秀つったって教師に対する礼儀ってものがあるんじゃないのか？」
 
鬼ヶ峰は顔を上げない。その態度に関係ない俺らが逆に慌ててしまう。

そしてついに先生が彼女の席まで近づいてきてしまう展開に。
 
やばいやばいやばい。これは非っっっっ常にまずい。
たまにいる問題児でもこんなに反抗する奴なんて今までいなかった。

というか出来ねえしそんなこと。

それがいまや先生は大激怒。何を言われるのか、はたまたその後どんな嫌がらせをされるのか…。クラス中が息を呑んで彼女の方を見る。
 
 
先「おい、
 
なんとか言ってみたらどうなんだ…っ！？！？」
 
先生が彼女の席にたどり着いて怒鳴り声をあげようとしたその時。

バサッという音を立てて鬼ヶ峰が赤い傘をさした。