Chapter 29 - 祭りのあと - ページ29
.
楽しい時間は
本当にあっという間に過ぎて…
.
『じゃあ、また遊びにきますね♪』
『ええ…』
『もう〜ショウちゃん…
そんな淋しそうな顔しないでよ！
またすぐに遊びに来るからさ♪』
『ええ…ありがとう。』
『もぉ〜！オレが帰る時なんか全然ヘーキそうなのに〜！
なんだよ、なんだよ、ショウちゃんなんて〜！』
『…やっぱり、人間性の問題なんじゃないですか？』
『もう！ニノちゃんまで！！』
『うふふ…楽しみにしてるわ♪』
.
そうして
カズとマサキは日が暮れる前に帰っていった。
ふふふ…
マサキなんて
ずーっと見えなくなるまで、手を振ってた。
その挙句に、木の根っこに躓いて転んで
呆れ顔のカズに置いていかれて
慌てて追いかけていってた。
.
.
ああ…
私も
あの2人と一緒に行けたなら
どんなに楽しいことだろう……
.
でも私には…
森を抜けた先に居場所はない。
あの2人のように
帰る場所がない。
.
そう…
私の居場所は
ここだけ……
.
ここしかない。
.
だって私は…
ここ以外の世界を
知らないのだから……
.
楽しい時間は
あっという間に過ぎて…
.
あとに残されたのは…
残酷なくらい
孤独な
ひとりぼっちの夜だった。
.
Chapter 30 - Have a break☆ 4 -→←Chapter 28 - 蚊帳の外 -
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 138人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：folklorist
| 作者ホームページ：http
作成日時：2012年8月28日 13時
