Chapter 19 - 危機一髪！ - ページ19
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｢…よっ…ほっ……うりゃっ…｣
あと…もう、ちょっとっ……
ガンバレ！オレ！！
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よし！
あとちょっとで窓の下に手がかかる♪
そして、まさに手を掛けようとしたその瞬間…
窓からひょっこりのぞいた顔……
｢…きゃあっ！！｣
｢うっわあぁぁっっ！！！｣
そのはずみで
窓へ伸ばしたはずのオレの手が空を切る……
.
.
｢はぁ、はぁ、はぁ……｣
｢ゼェゼェゼェ……ｹﾞﾎｹﾞﾎｯ…あり…ガト……｣
｢ど…どう、いたし、まして…
じ、じゃなくて…あ、あ、あなた…い、一体……｣
｢…ご、ゴメンね…ｹﾞﾎｯ……い、いきなりで…｣
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空を切ったオレの手を
窓から顔を出したあの子が
とっさにつかんでくれた。
そのお陰で、オレは今
なんとか無事にこの部屋に辿り着くことができてる。
｢ふぅ……」
あの子が俯き
ひとつ深呼吸した。
そして向き直ると
まっすぐな視線を俺に向けてくる。
｢あなた、一体、何のつもり？
ここがどういう場所か、知らないの？｣
｢あ、あの…えっと…オレは……｣
長いまつげに縁取られた
キラキラと輝く黒く大きな瞳が
質すようにオレを見つめている。
なんか…なんか言わなきゃ！
そう思いながらも
初めて間近に見るその子に
オレの目も心も釘付けで…
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作者名：folklorist
| 作者ホームページ：http
作成日時：2012年8月28日 13時
